攻守の歯車噛み合わず。以前のような得点力もなく
2年ぶりのJ1復帰を果たしたガンバ大阪が、開幕から波に乗れず喘いでいる。3日の横浜F・マリノス戦に敗れ、リーグ戦では今季初の3連敗。16位の降格圏内に転落した。
2勝3分6敗で勝ち点9という11節段階の成績は、奇しくも2年前のシーズンと全く同じ数字。長丁場のリーグ戦ではあるものの「やるからには一番上を目指す」(遠藤保仁)という言葉には、もはや「下方修正」が不可欠。当面は残留争いを現実的な目標に掲げて、戦うことを余儀なくされるだろう。
「攻守ともに今は噛み合っていない」という指揮官の嘆きが象徴されて展開に泣かされたのがアウェイで挑んだ横浜F・マリノスとの一戦だった。
一点を追う58分のことだった。ガンバ大阪は左サイドを崩して決定機を作り出すもののリンスが痛恨のシュートミス。同点のチャンスを逃すと、その直後にはCKから警戒していたはずの中澤佑二をフリーにし、決定的な2点目を失った。
開幕直後は守備陣が持ちこたえながらも、攻撃陣が低調で勝ちに見放されると、逆にセレッソ大阪戦以降は攻撃が上向きつつある反面、守備陣が連続で失点中……。まさに歯車が噛み合わない状況が続いている。
2年前は勝負どころでの守備力のなさに泣いた反面、リーグ最強の得点力を誇ったガンバ大阪ではあったが、今季に限っては得点数は14位、失点の多さも5番目と攻守両面において並以下のチームに成り下がっている。
ただ、チームは昇格組にありがちなJ1の壁に弾き返されている訳では決してない。「新加入の選手もいるし、ようやく連携が合ってきた」(遠藤)。11節を終えて、未だに前節と同じ顔ぶれで戦った試合はゼロ。
「今季は貴史に点を取らせる」と長谷川健太監督が期待をかけた宇佐美貴史が開幕直前に離脱したこともあって、前線と中盤の顔ぶれは毎試合のように模索が続いてきた。