【写真:Getty Images】
日本代表は現地13日にコートジボワール代表との国際親善試合に臨み、アフリカ屈指の強豪相手に1-0で勝利を収めた。
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直近の9日に行われたカメルーン代表戦では、特に攻撃の組み立ての局面における課題が噴出した。そこから次戦まで中3日というタイトな日程の中で、選手と監督の間で細かな認識のすり合わせがなされ、コートジボワール戦で改善が見られた点があった。
そのうちの1つが「ゴールキック」だ。
カメルーン戦ではGK権田修一がロングボールを蹴り、前線の大迫勇也が競り合うものの、屈強な相手ディフェンスに弾き返されて攻撃権を手放してしまう場面が多かった。
これはショートパスをつないでボール支配率を高めながら主導権を握りたい日本代表にとって、確率の低い空中戦を挑んでピンチを招いてしまうのは、どうしても避けたいところ。そこでゴールキックの改善は練習の中から意識されていたという。
コートジボワール戦にダブルボランチの一角で先発出場した遠藤航は「GKからしっかりボールをつなぐ、ゴールキックをどう使うかは練習でも落とし込んだりしていたので、それが今日はうまくハマったかなと思います」と振り返った。
「ゴールキックに関しては、最初の1人ひとりの立ち位置をしっかりとることで、基本的に相手のトップ下に対して僕と(柴崎)岳で数的優位を作れるように、若干横並びにしながらプレーしました。
そこに(相手の)ボランチが食いついてきたら、(鎌田)大地のところをどうやってうまく使うか。お互いのポジション見ながらうまくやれたと思うし、センターバックの(吉田)麻也くんとトミ(冨安健洋)が(ボールを)運んだりしたのも含めて、(相手のプレッシングを)うまく剥がせたのかなと思っています」
センターバックに入っていた吉田麻也も、遠藤と似たような実感を持っている。
「特にゴールキックからのビルドアップだったり、スローインで失う回数だったりは(減ったので)、1試合目の課題をうまく2試合目にクリアできたと思います。やっていても非常にテンポよくボールを回せたんじゃないかと」
そして森保監督も、「1戦目は割とロングボールを入れることがありましたけど、2戦目では自陣からボールをつないで攻撃を作っていく、マイボールを大切にしながら攻めていく、ゴールキックからのリスタートにチャレンジしてくれたと思います」と選手たちの小さなところからでも地道に改善に向けて取り組んだ姿勢を称えた。
約1年ぶりの日本代表活動ということもあって、攻撃における連係面などにさらなる改善の余地はありそうな2試合だった。一方、カメルーン代表とコートジボワール代表というアフリカ屈指の強豪2チームを相手に無失点だったディフェンス陣の粘り強さは大きな成果として今後につなげることができる。
ゴールキックのような一見すると小さく、あまり試合結果に影響しそうに感じないプレーまでも細部にこだわって少しずつ良くしていこうという姿勢が、ディフェンス面の堅実さと安定感の要因の1つになっているのかもしれない。
(取材・文:舩木渉)
【了】