「前線の4人はとても前を向けている」
――遅い時間(日本時間23:45)のキックオフになりましたが、今日もよろしくお願いします。カメルーン代表戦からは7人が変更となりました。
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「メンバーを見ると吉田麻也、冨安健洋、中山雄太の3バックかな。室屋成が右ウイングバックで伊東純也が左?」
――遠藤航が3バックに入ることもありそうですね。4バックも考えられます。
「それも可能です。なんで植田直通がスタメンじゃないんだ。3バックだったら植田の方がフィットすると思う」
――前線には久保建英、鎌田大地、鈴木武蔵が起用されました。
「久保と伊東は攻撃の起点になりそう。2人とも期待したい」
「鈴木と鎌田は作ったチャンスを決め切れるかがポイントになると思う」
――金曜のカメルーン代表戦は無得点だったので、ゴールに期待したいです。
「その通りです! コロナのせいで久保の最年少ゴールがなくなってしまいました。金田喜稔さんは嬉しいかもしれないけど(笑)」
※日本代表最年少ゴール記録は金田喜稔氏が持つ19歳119日。
――試合が始まりました。いきなり鈴木武蔵のクロスから久保にシュートが生まれました。
「ナイススタートですね」
「前線の4人はとても前を向けている。鈴木のスピードを活かしたいです」
――スタートは4バックのようです。
「このメンバーではそれがフィットしていると思います」
「でも、長友佑都がいない左サイドバックは問題になるかもしれません」
「ビルドアップはいいけど…」
――久保と伊東純也は時折ポジションを入れ替えていますね。
「2人とも両サイドでプレーできるし、自由にプレーしたいタイプなので問題ないです」
「久保も伊東も守備の意識が高く、サイドバックは助かります」
「森保監督のサンフレッチェ広島もワイドの選手が守備も攻撃も積極的だった。山岸智やミキッチですね」
――サイドからチャンスは作れていると思うのですが。
「ビルドアップはいいけど、まだ完全な決定機を作れていないね」
「コートジボワールは能力の高い攻撃の選手が揃っているので、日本代表はポゼッションで集中を切らしてはいけない」
――日本代表はカメルーン戦に続き、前半をゴールレスで終えました。
「(前半終了間際のシーンで)鎌田はパスした方がよかったね。鈴木も久保もいい位置にいた」
「カメルーン戦よりは日本代表が主導権を握っていたと思う。ビルドアップも速くてダイレクトなプレーが多かった」
――後半に向けてどんなことが必要だと思いますか?
「ファイナルサードでもっとスピーディーなプレーを増やさないと」
「コートジボワールのディフェンダーは力強いので、できるだけ早くシュートを打たないといけない」
「真ん中じゃなく、できるだけサイドから攻めた方がいいね」
冨安健洋は「トップの選手になると思う」
――コーナーキックは冨安、吉田に合っていますが、枠を捉えることができませんでした。
「そうですね。私は冨安が大好きです。トップの選手になると本当に思います」
「アビスパ福岡のときから見ていますが、冷静さが印象的です」
――久保は61分に南野拓実と交代になりました。
「(プレーの)意図は良かったけど、決定的な貢献ができなかったね」
――得意ではない左サイドでのプレーというのも影響したのでしょうか。
「いや、そんなことはないと思います。久保のような才能を持っている選手はどこでもプレーができる」
「でも、今日の試合の流れは全体的にストップ・スタートなので、インパクトを残せる波に乗れるチャンスが少なかった」
――試合は0-0のまま、残り時間は10分を切りました。
「そうですね……。2020年は得点できるかな?」
「11月にも2試合あると思うけど、コロナでどうなるかわからないから……」
「課題は相変わらず…」
――後半アディショナルタイム、柴崎岳のFKを植田が頭で合わせてゴールを決めました!
「植田が決めるとはまったく思わなかった! マークが甘かったですね」
――綺麗なヘディングでした。
「空中戦では武器になりますね。しっかり決めきれてよかったです」
――劇的な勝利になりました。2試合を通じてどのような印象でしたか?
「まあまあでしたね。でも、1年ぶりだったので予想通りかな」
「課題は相変わらず得点が少なかったことです。ペナルティーエリア内でのチャンスをもっともっと増やしてほしい」
「ただ、2試合とも無失点に抑えたのは収穫です。カメルーンもコートジボワールもうまい攻撃陣がいました。日本代表にとっても自信になると思います」
――無失点につながった要因はどこにあったと思いますか?
「真ん中の3人、吉田、冨安、そして柴崎はバランスが良かったし、(試合を)コントロールできていたと思います」
――まだまだ世界情勢は不安定ですが、次戦もできることを祈りたいですね。
「サッカーが一番大事なことではないですが、来月も無事に試合ができればいいと思います」
――今日も遅くまでありがとうございました。
「こちらこそ! おつかれさまでした!」
▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。
【了】