急遽ドルトムントが練習クローズに…
試行錯誤があり、私たちは最終的に[3-4-3]という配置にたどり着きました。システムは結果として帰結したものです。まず、マインドを変えて攻撃で主導権を握る。そのためには高い位置で幅を取る。それを選手に提示してトライをした結果、[3-4-3]の配置のほうが彼らには適していた、という流れです。決してシステムありきではない、ということは強調しておきます。
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2016年は最終的に[3-4-3]のイメージを残して終わりました。それが翌年につながっていくのですが、実はその間、オフシーズンにも布石がありました。
私は毎年、オフになると欧州へ行くことにしています。特に「このクラブを見たい」という目的があるわけではありません。最低でも1週間、きちんとトレーニングを見て、週末のゲームにどのように向かうのか。その流れが見られるチームに行きたいと、コーディネーターにはお願いしています。2016年も最初はドルトムントを見ることができそうだという話があり、ドイツ行きを決めていました。
ところが、これは余談ですが、実際に行く直前になって、当時監督だったトーマス・トゥヘル(現在はパリ・サンジェルマンを指揮)のチームが下降線で、ドルトムントの練習がクローズになってしまいました。本当に親しい人ですら入れない、危機的状況ということでした。
ヒントとなった内田篤人との観戦
そこで現地に着いてからヘルタ・ベルリンへ行き、当時は原口元気選手がいたので、彼のつながりから何とかお願いをして練習を見させてもらいました。よくある旅のハプニングですが、周囲の協力もあり、臨機応変に過ごしながら、試合もいくつか見ることができました。
すると、何の偶然か、そのほとんどが3バックのチームでした。シャルケ、ドルトムント、チェルシー……当時は流行りもあったと思います。もちろん、同じ3バックでも、チームによってやり方は違いました。
シャルケではそのとき、怪我でベンチ外だった内田篤人選手がいたので、彼と一緒に試合を見ながら話を聞かせてもらいました。当時、ドイツは3バックが多かったのですが、彼が言うには、ボランチやアンカーに入る選手のキャラクターによって、守備的になるチーム、攻撃的になるチームに分かれると。
(文:渡邉晋)
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