「『もうちょっとは待ってあげようぜ』と俺はティフォージのヤツらにも言いたい」
――今のミランを浮上させる補強の一人にして目玉であったはずの本田圭佑。現ミランの「10番」について、かつての10番たちを支え続けてきたガットゥーゾが抱いている印象とは? “日出ずる国のベッカム”との触れ込みでセンセーショナルな入団を果たすも、2ヶ月を経た時点において早くも“失格”の烙印が捺されようとしている。一体何が足りないのだろうか?
「色々と言われているのは知ってるが、まだたったの2ヶ月だぜ、2ヶ月。確かにこの世界が、とりわけこのイタリアはセリエAってところが血も涙もない場所だってことは事実なんだが、いくらなんでもたったの2ヶ月で“烙印”はねぇだろ?
確かなのは、あえて名前は挙げずにおくが、ここイタリアではさっぱりだったヤツらが違う国のリーグにいった途端にスーパースターになる、なんて例はこれまでいくらでも見てきたわけだ。
その意味で言えば本田は逆、お世辞にもトップレベルとは言えないロシアからここイタリアに来たんだから、そりゃあ一定の苦労はするだろうよ。それこそディエゴ(・マラドーナ)なら話は別だが。
とにかく、俺が思うに、この本田っていう選手は超一流でもなければ二流でもない。要するに「もうちょっとは待ってあげようぜ」と俺はティフォージのヤツらにも言いたいわけよ。
なんと言っても重要なのはアイツが“イタリア式”のトレーニングをやらずに、つまりそのための時間さえ与えられないままいきなり試合に出てるってことなんじゃないかな。であればそりゃあ大変だよ。
で、しかも当のミランが例の調子でバッラバラとくれば、それこそあのマラドーナであっても相当に苦労するはずだろうよ。
よく言われる話だが、かつてはあのプラティニやジダンでさえ俺たちの国のサッカーに慣れるには少なくとも半年を要したんだ。あの超一流の二人に半年を与えて本田には2ヶ月? いくらなんでもそれは不公平というべきじゃないのか? とにかく、まぁ待ってあげようぜ」