浦和の戦術にハマった1トップ・興梠
浦和レッズが好調だ。2シーズン目となるミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いるチームのここまでの成績は5勝1分けでリーグ2位。新加入した選手すべてが試合に出場していることからも、補強が的確であったことが伺える。
その中でも1トップに入る興梠が果たしている役割が非常に大きい。昨シーズンはポポ、原口がこのポジションを担っていたが、帯に短し襷に長しといったところで、チームの中での役割としては物足りないものがあった。
しかし興梠は、前線のターゲットとしてのポストプレーを含む周囲を活かすプレー、裏へ抜け出す動き出しなど、今の浦和の1トップに必要な資質をすべて備えている。ゴールがなかなか生まれないことが唯一の懸案事項ではあったが、4月14日の第6節で湘南相手に初ゴールを決めた。
「毎年1点決めたらどんどん立て続けに取れるので、これからどれだけ取れるかが、すごく自分でも楽しみ」と本人が話すように、ゴール量産への準備も整った。また、このゴールのアシストが柏木であったこともチームにとって非常に大きい。
本来の能力を考えれば、精細を欠くプレーが目立っていた今季の柏木。だが、興梠へのアシストと、コーナーキックからの直接ゴールで、ようやくチームの勝利に貢献することが出来た。まだ本調子とは言えないが、浮上のきっかけは掴んだはずだ。
2列目に定着しその能力を発揮している原口のドリブルに加えて、「得点王争いに絡むくらい決定機がある」と語る興梠のゴールラッシュと、浦和の太陽とも称される柏木の楽しむプレー、この2つが加われば、さらにチームが加速していくことになるだろう。