※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.30秋号』P034-036より転載
「ゴールへのアプローチのまずさ」から混戦でボールを受けている
ひとつめは、ゴールへのアプローチのまずさです。
日本の攻撃はゴールへ迫るスピードが遅いため、ゴールチャンスが生まれるバイタルエリア付近でボールを保持する際、多くの場合は混戦状態でボールを受けます。つまり、相手ディフェンスをはがしきっていない「相手につかれた状態」でボールを受けているのです。
例えば、ブラジルは後半3分、右サイドからのクロスにパウリーニョがワンタッチ目のトラップ、いわゆるファーストタッチのボールを守備のいないスペースに置いてゴールを決めました。
対する日本は後半5分、本田が岡崎にスルーパスを出しましたが、岡崎はトラップミスをして転倒してしまいました。
要するに、パウリーニョは相手を引き剥がした状態でファーストタッチを自分が優位になるスペースに運べているのに対し、岡崎は混戦のなかでボールを保持しようとしています。混戦のなかでのボールコントロールは難度が上がりますから、ミスが多くなるのは当然です。