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リヴァプール、痛恨の敗戦。ジェラード凡ミスもファン・選手は主将を支持“決して独りでは歩かせないから”

プレミアリーグ第36節、チェルシーとの首位決戦に敗れたリヴァプール。マンチェスター・シティが直後のパレス戦に勝利したため一気に大混戦となったタイトルレースの行方は?

text by 海老沢純一 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

“激戦必至の好カード”を“つまらない試合”に変えたモウリーニョ

リヴァプール、痛恨の敗戦。ジェラード凡ミスもファン・選手は主将を支持“決して独りでは歩かせないから”
スティーブン・ジェラード【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 痛恨――。前半ロスタイムにスティーブン・ジェラードが犯したたった一つのミスは、熾烈なタイトルレースにどのような影響を及ぼすのか。

 このリヴァプール対チェルシーという今シーズン最大の大一番は、世界中のサッカーファンがキックオフの笛を待ち望み、胸を高鳴らせて観戦した一戦だった。

 しかし、ジョゼ・モウリーニョという男は、そんな“激戦必至の好カード”を見事に“つまらない試合”に変えてしまった。

 チェルシーにとって、この試合のハイライトは二度の得点シーンのみ。選手が最も多くプレーした位置を示すアクション・エリアは、チェルシーのゴール前が22.63%と圧倒的に高く、パス成功本数でもリヴァプールの530本に対して、わずか147本。個人スタッツでも20本のパスを通した選手は一人もいなかった。

 それでも勝ち点3を手に入れたのはチェルシーであり、“師弟対決”を制したのは“マスター”モウリーニョだった。第1期チェルシー時代に下部組織を率いたブレンダン・ロジャースの挑戦を喜びながらも退けたのだ。

 ロジャースは、04-05シーズンからチェルシーU-18の監督に就任。06-07シーズンからはリザーブチームであるU-21の監督に昇格した。その後、08-09シーズンからワトフォード、レディング、スウォンジーと2部の監督を歴任。

 スウォンジーでは就任1年目でプレミアリーグへの昇格を決め、翌シーズンにはショートパスを主体とした魅力的なサッカーで評価を高めつつ11位で残留。11-12シーズンにリヴァプールの監督に引き抜かれると言った、まさにシンデレラストーリーを体現している監督だ。

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