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Jリーグ 4年前

「Jリーグが元通り再開する」のはありえない。コロナウイルスの権威が語る現実的道のり【サッカーと感染症 前編】

終息が見えないコロナ禍のなか、Jリーグ再開が正式に決定された。我々サッカーファン、サポーターは今後、サッカーとどう付き合い、向き合っていけばよいのか。正しい「観戦マニュアル」とはいかに―。サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授がすべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。6月12日発売の『サッカーと感染症』から、一部抜粋して前後編で公開する。今回は前編。(文:岩田健太郎)

text by 岩田健太郎 photo by football critique

元のように再開するのは現実的ではない

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【写真:フットボール批評編集部】

 今、サッカーファンはつらい時間を過ごしていますが、まさに僕もつらい思いをしています。サッカーが観れない、プレーができない、本当につらいですよね。まず、コロナウイルス対策と同じで、急に物事が白紙に戻って、サッカー界だけが元通りになるというのは現実的ではありません。

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 ロックダウンがまさにそうであるように、今、イタリアやスペインはロックダウンを徐々に解除しています。徐々に解除して患者が増えないことを確認して、さらに段階を上げて解除するという斬減的なやり方をとっています。フランスみたいに事情がまた悪くなると、少し戻したりもしていますよね。

 つまり、ハードルを上げ下げしながら微調整して、少しずつ正常化を図るという、これが出口戦略と言われるものです。このようにしない限り、急に「元通りに戻します」というような緊急事態宣言の解除というのはあり得なくて、少しずつ戻していくべきだと考えています。

 では、サッカーはどうなのか? Jリーグを元のように再開しますといっても、いきなり再開するというのは現実的なシナリオではありません。いつも言っているんですが、一番ベストなコンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)からやっていくべきだと思います。

(文:岩田健太郎)

【後編はこちら】
感染症対策の権威にして熱烈なサッカーファンである岩田健太郎教授。書籍本編ではイニエスタとの貴重なエピソードも収録! 今だからこそ聞きたい新たな「サッカー行動マニュアル」の詳細は↓をクリック!

9784862555649

『サッカーと感染症』


定価:本体1,300円+税

<書籍概要>
 長いスパンで感染症と付き合わざるを得ないWithコロナ時代に突入した今、もちろんサッカー界も新しい形態、思考にモデルチェンジしていく必要がある。

 サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授の“サッカー異論”をフットボール批評編集部がまとめ、サポーター、選手、指導者……すべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。

詳細はこちらから

【了】

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