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クラブが、ペップが、メディアが“待ち望んだ”相手。レアル戦、バイエルンがついに本気を出す

ペップ・バイエルンは待ち望んでいた。本気を出せる相手を。CL準決勝でようやくそれが現れた。レアル・マドリーだ。クラブ、そしてメディアにとってもそれは同様だ。

text by 本田千尋 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

フィフティ・フィフティの意味

 ペップ・バイエルンがいよいよ欧州の頂きに近づきつつある。

クラブが、ペップが、メディアが“待ち望んだ”相手。レアル戦、バイエルンがついに本気を出す
グアルディオラ監督【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

 2014年4月11日、スイスはニヨンにて欧州チャンピオンズリーグ準決勝の抽選会が行われた。歴戦の猛者、元ポルトガル代表のルイス・フィーゴが引き当てたカードは、アトレティコ・マドリー対チェルシー、そして、バイエルン・ミュンヘン対レアル・マドリーである。

 抽選の結果を受けてSportBild電子版は「GIGANTEN-DUELL(巨大な戦い)」と報じた。日本語の表現で言うと、世紀の一戦とまではいかないが、頂上決戦といったところだろうか。現在国内リーグではトップの33試合94得点と圧倒的な破壊力を秘めた白い巨人レアル・マドリーと、バイエルンは準決勝の舞台で相まみえることとなった。

 SportBild電子版によれば抽選会後のパーティーにて、対マドリー戦を「Fifty-fifty-spiele(フィフティ・フィフティの試合)」としたのは、カール・ハインツ・ルンメニゲである。しかしこれはどっちに転ぶか分らないという不安を吐露したものではない。

 フィフティ・フィフティの試合を「待ち望んでいる」と言うのだ。バイエルンの代表取締役は「スペインの地でのレアル・マドリーを良く知るので、我々の指揮官は喜んでいるだろう」と続ける。

 ペップ・グアルディオラは喜んでいた。

「Ich bin glucklich(私は嬉しい)。ヨーロッパ全体がこの試合を観戦するだろう。私はひとつの大きなシナリオに喜んでいる。私はレアル・マドリーを良く知っている。選手として、指揮官として何度も試合をした」

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