古巣エヴァートンにも2敗。クラブ、ファンのプライドを傷つけた凡戦に次ぐ凡戦
「Moyes Sacked By United」
現地時間4月22日の朝の一報でマンチェスター・ユナイテッドがデイビッド・モイーズ監督を解任したことをイングランド各メディアが伝えた。
2013年5月8日にアレックス・ファーガソン監督が引退を発表すると、翌9日には新監督として就任することが発表された。27年間もチームを率いた世界で最も偉大な監督の後任とあっては、誰が務めても苦戦することは想定の範囲内だっただろう。
2002年3月にエヴァートンの監督に就任して以降、11シーズン半で強豪とは言えないものの、「対戦を避けたい」と思わせるチームに育て上げた。
そして、LMA(リーグ監督協会)が選ぶ年間最優秀監督賞に3度選出されるなどプレミアリーグにおいては高く評価されていた監督だっただけに、長期的な視野でチームを任せられる“ユナイテッドらしい”選択だと伝えられていた。
しかし、シーズンが始まってみればスウォンジーとの開幕戦こそ4-1で制したものの、その後は凡戦に次ぐ凡戦。マンチェスター・シティ、リバプールとのダービーではクラブ史上初のダブルを喫するなど、ファーガソン時代の威圧感や気高さは一瞬で失われてしまった。
さらに結果以上に内容が悪かったこともファンの支持を得られなかった理由だろう。前時代的なサイドアタック一辺倒のサッカーは世界中から「つまらない」と罵られ、挙げ句にはリバプールのサポーターから「Football Genius(フットボールの天才)」という横断幕で痛烈な皮肉を浴びてしまった。
また、何よりもクラブのプライドを傷つけてしまったことは、モイーズ監督の古巣エヴァートンにダブルを食らったことだろう。ロベルト・マルティネス監督に率いられたかつての教え子たちは、明らかに昨シーズンよりも生き生きとプレーを楽しんでいたし、存分に個性を発揮していた。
モイーズ監督にとってユナイテッドの最終試合となった20日の試合では「どちらがビッグクラブか分からない」といった印象を受けるほど差をつけられてしまっていた。