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黄金時代アーセナルの美しすぎる連携。アンリ、ピレス、最後はパトリック・ヴィエラ

text by 編集部 photo by Getty Images

パトリック・ヴィエラ
【写真:Getty Images】

 アーセン・ヴェンゲル監督に率いられ、2003/04シーズンにはプレミアリーグ無敗優勝の歴史的快挙を成し遂げたアーセナル。圧倒的な強さを誇る今季のリバプールでさえも不可能だった偉業は伝説として語り継がれている。

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 その翌年にも勢いを持続したアーセナルは、開幕2連勝の時点でリーグ戦42試合連続無敗のイングランド記録に並ぶ。最終的には49試合まで記録を伸ばした。

 だがマンチェスター・ユナイテッドに敗れて無敗記録が途切れると、そこからペースを落として首位の座からも陥落。11月28日の第15節、アンフィールドに乗り込んでのリバプール戦も前半に先制を許す苦しい展開を強いられた。

 それでも56分には無敗優勝の英雄たちが完璧な連携を発揮して同点ゴールを生み出す。中盤でボールを運んだパトリック・ヴィエラはティエリ・アンリに預けるとそのまま前進。ロベール・ピレスを経由したボールは完璧なラストパスとして返され、最後はヴィエラが冷静にボールを浮かせてGKを破った。

 この試合は結局敗戦に終わり、最終的にリーグ連覇も逃したアーセナル。だが黄金時代に連なるチームが残した美しいゴールが色褪せることはない。

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≪書籍概要≫
なぜ、あえて今アーセナルなのか。
あるアーセナル狂の英国人が「今すぐにでも隣からモウリーニョを呼んで守備を整理しろ」と大真面目に叫ぶほど、クラブは低迷期を迎えているにもかかわらず、である。
そのヒントはそれこそ、今に凝縮されている。
感染症を抑えながら経済を回す。世界は今、そんな無理難題に挑んでいる。
同じくアーセナル、特にアルセーヌ・ベンゲル時代のアーセナルは、一部から「うぶすぎる」と揶揄されながら、内容と結果を執拗に追い求めてきた。
そういった意味ではベンゲルが作り上げたアーセナルと今の世界は大いにリンクする。
ベンゲルが落とし込んだ理想にしどろもどろする今のアーセナルは、大袈裟に言えば社会の鏡のような気がしてならない。
だからこそ今、皮肉でもなんでもなく、ベンゲルの亡霊に苛まれてみるのも悪くない。
そして、アーセナルの未来を託されたミケル・アルテタは、ベンゲルの亡霊より遥かに大きなアーセナル信仰に対峙しなければならない。
ジョゼップ・グアルディオラの薫陶を受けたアーセナルに所縁のあるバスク人は、それこそ世界的信仰を直視するのか、それとも無視するのか。

“新アーセナル様式”の今後を追う。

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