日本に競技面、中国に投資面で押されるKリーグにとって切実な大会
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)において、Kリーグ勢の強さは安定している。今シーズンに関しては4月16日現在、出場4チームでグループリーグ首位に立っているのは浦項スティーラーズのみだが、全チームが決勝トーナメント進出の可能性を残している。
改めて振り返れば、Kリーグ勢は5年連続で決勝戦まで勝ち上がっており、そのうち浦項(09年)、城南(10年)、蔚山現代(12年)は優勝トロフィーを手にしている。Jリーグは08年のガンバ大阪の優勝以来、決勝の舞台にも上がれていない。
なぜACLにおいて、Kリーグのクラブは結果を出し続けることができるのだろうか。その強さのワケを知るために、韓国人記者を直撃した。
「Kリーグ勢にとって、ACLは非常に切実な大会」と話すのは、スポーツ紙『イルガン・スポーツ』のサッカー班チーム長であるソン・ジフン記者だ。
「客観的に見たとき、現在のKリーグは様々な面でJリーグや中国リーグに押されています。競技レベルで見るとJリーグに押され、投資面で見ても中国リーグに劣っている。そんな危機意識をすべてのクラブが持っています。だからACLは、“Kリーグは決して劣っていない”と確認する唯一の機会なのです。
逆に、この大会で結果を出せないと、Kリーグは東アジアで競争力がないと認めざるを得なくなる。リーグ戦で多少不利になったとしても、すべてのクラブがACLに対するモチベーションを高めているのは、そんな切実な思いがあるからです」
他のリーグ勢に比べて、そもそもの本気度が違うというわけだ。その意気込みを示すかのように、KリーグのクラブはACLに出場するか否かで補強の投資額も変わってくるという。
「リーグ戦が終ると、来年のACL出場クラブが決まりますよね? それによって、来シーズンのクラブの投資額が変わります。『ACLに出場するから選手をあと1、2人補強する必要がある』と、クラブ側が判断するのです」