ドウグラスが神戸へ移籍。穴埋めは…
清水エスパルスが新シーズンに向けて抱えていた課題は、大きく分けて2つある。
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1つ目は、昨季リーグワーストの69失点を喫した守備陣をいかに立て直すか。そして2つ目は、ヴィッセル神戸に移籍した絶対的エースFWドウグラスの穴をどう埋めるかだ。
清水は今季、ピーター・クラモフスキー新監督に迎えた。横浜F・マリノスでヘッドコーチとして昨季のJ1制覇に貢献した新指揮官のもとで攻撃的なスタイルの構築を目指す中でも、やはり守備の安定は不可欠だ。
クラブとしての補強策にも守備力改善への意欲が見られる。DF松原后がベルギーのシント=トロイデンVVに移籍した左サイドバックには、名古屋グランパスからDF金井貢史を獲得。右サイドバックにも大宮アルディージャからDF奥井諒を加えた。
また、センターバックにはFC東京から東京五輪世代のDF岡崎慎を獲得し、ブラジル人のDFヴァウドも加入。コロンビアリーグで優勝経験を持つブラジル人GKネト・ヴォウピは、新たな正守護神として獅子奮迅の活躍が期待される。
既存戦力ではDF立田悠悟やDFファン・ソッコが健在で、J屈指のサイドバックとして鳴らすDFエウシーニョもいる。昨季のような不安定さを払拭すべく、ディフェンスラインの陣容を刷新して選手層も厚くなった。
一方、ドウグラスの抜けた穴が埋まったとは言い難い。J1でのプレー経験を持つタイ代表のFWティーラシン・デーンダーを獲得したものの、サンフレッチェ広島時代の2018年に記録したのはわずかに6ゴールのみ。昨季14得点のブラジル人ストライカーと同等か、それ以上の爆発力は期待しにくい。
クラモフスキー新監督はマリノスと同じ4-3-3を採用したチーム作りを進めるが、1トップの人選と得点力は今季の成績を大きく左右するはずだ。もちろんティーラシンのみならず、大分トリニータから加入したFW後藤優介や、ベテランのFW鄭大世らの奮起も必要だ。
全選手がゼロから競争に挑むにあたって、複数の選手がコンバートされて新たな役割を任されるとの情報もある。センターバックが本職の岡崎がセントラルMF、中盤のユーティリティとして重宝されてきたMF石毛秀樹が左サイドバックといった斬新な抜てきもありそう。
クラモフスキー新監督も最適な組み合わせを模索しているだろうが、チーム内の競争が選手個々の成長に結びつけば良い結果にもつながるだろう。ただ、現状としては昨季よりも大幅にパワーアップした印象はなく、厳しい戦いを強いられてもおかしくない。