盤石の戦いでユベントスを圧倒したバイエルン
危なげない勝利。そしてつい先日に最短でブンデスリーガ優勝を果たした、今シーズンのバイエルンの強さを改めて印象付ける試合となった。
敵地の第1レグで2点のビハインドを負っていたユベントスはピルロを起点に得意のサイドアタックで何とか活路を見出そうとする。開始2分にヴチニッチが放ったシュートが決まっていれば、バイエルンの選手たちにアウェーで心理的なプレッシャーを与えることができたかもしれない。
しかし、バイエルンの守護神ノイアーを打ち破ることができず。ピルロの直接FKはノイアーにパンチングを強いたものの、流れからヴチニッチとクアリアレッラの2トップがバイエルンの堅固な守備陣を脅かすことがないまま、時間は経過していった。
バイエルンは前半35分にファン・ブイテンをアクシデントでボアテンクに交替する事態となったが、このドイツ代表ストッパーは冷静に入って前半を乗り切ると、ブラジル代表の相棒ダンチとともに堅実な守備組織の後方を支えた。
そしてユベントスの攻撃に焦燥感の見えてきた後半19分、シュバインシュタイガーのFKにハビ・マルティネスがボレーで合わせ、一度はユベントスの守護神ブッフォンが弾いたものの、リバウンドをマンジュキッチがストライカーらしく頭で叩きこんだ。
これで合計スコアは0-3に。がっくりと肩を落とすコンテ監督、そして静まり返るユベントス・スタジアムの観衆そのままに、意気消沈してしまったユベントスのイレブンをしり目にバイエルンの選手たちは落ち着いた試合運びで時計を進め、後半ロスタイムにはシュバインシュタイガーのラストパスに途中出場のピサロが合わせダメ押し。
残る3試合が終盤までもつれる激戦となる中、敵地ながら盤石な戦いぶりでイタリア王者を一蹴し、準決勝進出を果たしたバイエルン。今季終了をもって勇退となるハインケス監督が高めてきたスタイルを選手が攻守に渡ってハイレベルに実行してきた結果だ。