すでに東京五輪出場を決めているのは、開催国の日本を含め9ヶ国【写真:Getty Images】
【U-22日本代表日程・テレビ放送予定はこちら】
【U-22日本 9-0 U-22ジャマイカ キリンチャレンジカップ2019】
U-22日本代表は28日、キリンチャレンジカップ2019でU-22ジャマイカ代表と対戦している。
格下を相手に立ち上がりからボールを支配した森保ジャパンは、5分にDF中山雄太が直接FKを叩き込むと、その後は怒涛のゴールラッシュ。MF安部裕葵やMF旗手怜央、FW前田大然などが立て続けに得点を挙げ、最終的には9得点を奪ってアウェイチームを下している。
攻守両面で様々な選手が自身の持ち味を発揮したU-22日本代表メンバー。来年1月開催のAFC U-23選手権、そして東京五輪2020メンバー入りに向け、アピールは十分だったと言えるだろう。良い意味で森保一監督を悩ませることになりそうだ。
さて、東京五輪での躍進が期待されているU-22日本代表だが、そのライバルとなる国々も続々と本大会行きの切符を掴んでいる。
まず、ヨーロッパからはスペイン、ドイツ、フランス、ルーマニアの4ヶ国が、来年の夏に日本へやってくることが確定している。
U-21スペイン代表は、今年開催されたU-21欧州選手権で見事優勝を果たし、本大会行きの切符を掴んでいる。同大会のMVPに輝いたMFファビアン・ルイスは1996年生まれのため東京五輪には出場できないが、FWミケル・オヤルサバル、ディナモ・ザグレブ所属で数多くのビッグクラブが注目を集めるMFダニ・オルモなど錚々たるメンバーが揃っている。本大会の優勝候補だと言えるだろう。
そのU-21スペイン代表に敗れ準優勝に終わったのがU-21ドイツ代表。こちらももちろん強敵なのだが、U-21欧州選手権決勝でピッチに立ったDFヨナタン・ターやDFルーカス・クロスターマン、FWルカ・ヴァルドシュミット、MFマキシミリアン・エッゲシュタインなどといった主力メンバーは揃って1996年生まれ。東京五輪には出場することができない。MFカイ・ハヴェルツなどの逸材ももちろんいるが、U-21欧州選手権と同じような強さを発揮できるかどうかは未知数だ。
U-21フランス代表はU-21欧州選手権で準決勝敗退という成績に終わったが、メンバーは実力者揃いだ。MFマテオ・ゲンドゥージにMFウセム・アウアー、MFリュカ・トゥザールにDFダヨ・ウパメカノ、リリアン・テュラムの息子であるFWマルクス・テュラムなど名前を挙げればキリがない。U-21欧州選手権の予選では最大勝ち点30のうち、実に28を稼いでいる。こちらも、東京五輪の優勝候補である。
そしてダークホースとなったのがU-21ルーマニア代表。同国にとって今回のU-21欧州選手権は2度目の出場ということになったが、グループリーグではあのU-21フランス代表を得失点差で上回り、実に14大会ぶりとなる五輪行きの切符を掴んでいる。ゲオルゲ・ハジを父に持つMFヤニス・ハジ擁する攻撃陣はもちろんのこと、ジェノアに所属するGKアンドレイ・ヨヌーツ・ラドゥを中心とした守備力も自慢のチームである。
アフリカからは3ヶ国が日本へやってくる。
U-23アフリカネーションズカップを制して五輪行きを決めたのがU-23エジプト代表。同大会では準決勝のU-23南アフリカ代表戦以外、すべての試合を1点差以内で勝ち切るなど粘り強さがあるチームだ。同チームで主将も務め、大会のMVPに輝いたMFラマダン・ソブヒ、大会の得点王に輝いたFWモスタファ・モハメドは要警戒である。
U-23アフリカネーションズカップで準優勝に輝いたのは、来年3月にU-23日本代表とも対戦するU-23コートジボワール代表。4-2-3-1や4-1-4-1、4-3-3などを試合ごとによって使い分けてくる厄介なチームだ。注目選手はサッスオーロに所属するハメド・ジュニオール・トラオレ。まだ19歳の同選手は左右両足を巧みに使いこなすことができるMFである。すでにユベントスも熱視線を送る逸材は、東京五輪でも注目選手の一人になるだろう。
3位決定戦でU-23ガーナ代表をPK戦の末下し、見事東京五輪出場を決めたのは、こちらも来年3月にU-23日本代表と対戦するU-23南アフリカ代表。4-3-3をベースとする同国代表は、3年前のリオデジャネイロ五輪でブラジル代表と0-0で引き分けるなど、どこか不気味な存在であると言える。U-23アフリカネーションズカップでは計5試合でわずか3得点に終わっており、攻撃の迫力不足は否めないが、5試合中3試合で無失点を記録するなどディフェンスは決して緩くはない。強豪国にとっては厄介な相手になるだろう。
オセアニアの1枠に滑り込んだのはU-23ニュージーランド代表。同国は五輪予選トーナメント決勝でU-23ソロモン諸島代表を5-0で下し、2大会ぶり13回目となる五輪行きの切符を掴んだ。注目人物は各年代別代表でプレーし、すでにフル代表デビューも果たしているDFリベラート・カカセ、オセアニア五輪予選の5試合で3得点5アシストという圧倒的な成績を収めたFWクレイトン・ルイスである。2019年は親善試合含め無敗。他の国からするとやや力は劣るかもしれないが、東京五輪では旋風を巻き起こす可能性もある。
残す枠はあと7つ。アジアが3枠(2020年1月決定)、南米が2枠(2020年1月決定)、北中米カリブ海が2枠(2020年4月決定)となっている。
【東京五輪全種目出場内定者一覧はこちら】
【了】