(左)佐々木翔(中)三浦弦太(右)畠中慎之輔【写真:Getty Images】
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【日本 0-1 韓国 EAFF E-1 サッカー選手権】
EAFF E-1 サッカー選手権・韓国大会の第3戦、日本代表対韓国代表の試合が18日に行われ、日本は0-1で敗戦に終わった。この試合は韓国代表が前半からハイプレスを仕掛けてくることは予想されたが、それに対して日本代表は対策を講じることなく完全に機能停止。3バックの攻略法が暴かれてしまった。
この試合、日本代表のスタメンは初戦の中国戦のメンバーが基本で、最終ラインは左からDF佐々木翔、三浦弦太、畠中慎之輔で形成をしたが非常に不安定であった。真ん中に入った三浦がDFラインを統率出来ていたとは言い難く、一対一の場面でも安定感を見せることが出来なかった。畠中もロングパスの対応やサイドの仕掛けに対して後手に回るシーンが多かった。唯一DFラインで目立ったミスがなく安定していた佐々木だが、それでも同選手もロングボールの対応に遅れてしまうシーンなどが見受けられた。
そして浮き彫りになった問題点がハイプレスをかけられると何もできないという点だ。韓国のプレスが非常に早く、それを前に日本代表はパスの出し所がなく、サイドや中盤に苦し紛れのパスを出して奪われるというシーンが目立った。相手がハイプレスをかけてきたことでサイドにスペースが生まれていたが、そこを突くことが出来ず丁寧に後方から繋ごうとしたスタイルにも疑問が残る。
失点のシーンを振り返っても、韓国代表はボールを奪われた後の攻守の切り替えが非常に早く、すぐにプレスをかけていた。それに対して日本代表は密集したエリアで無理に繋いだことによって失点をしてしまったと言える。
また韓国は日本の3バックに対して攻撃時に前線を3枚としたため、日本代表の両WBが下がってしまい後方が重くなってしまいラインを上げ切ることが出来なかった。これによりオフェンス時に厚みが出ず、パスの出しどころが減ってしまった。
ハイプレスだけでなくセットプレーも課題が浮き彫りになった。前半のCKだけでも決定機を2本作られており、後半のCKでは後方から入ってきた選手を完全にフリーの状態にさせてしまった。
しかし、機能不全の要因はDFラインの問題だけではない。相手のハイプレスに苦しんだ中でDFラインから積極的に縦パスを入れて攻撃のスイッチをオンにする場面も見られた。しかしボランチに入ったMF井手口陽介とMF田中碧にパスを入れても、そこで引っかかってしまいショートカウンターを喰らってしまった。
東京五輪を戦うU-22日本代表の基本システムは3-2-4-1と、この大会で日本代表が採用をしたシステムと同じだが、韓国戦は3バックの限界を感じる試合となった。この試合同様、何の対策も講じずに試合に挑んでしまうと、東京五輪でも同じ過ちを繰り返してしまうことになるだろう。チームの課題が浮き彫りになっただけでなく、森保一監督の手腕も問われる内容となった。
(文:編集部)
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