マリティモで活躍を続けるU-22日本代表FW前田大然【写真:舩木渉】
ポルトガル1部リーグの第13節が現地7日に行われ、マリティモはサンタ・クララと2-2で引き分けた。
マリティモに所属するU-22日本代表FW前田大然は先発フル出場。序盤の5分にはPKで7試合ぶりとなる今季リーグ戦3ゴール目を挙げた。
ただ、その後に「決定機が2つほどあった」。本人がそう語るように、11分と37分に相手ディフェンスラインを破ってGKと1対1になるチャンスがあったものの、2つともGKにシュートをセーブされてしまい追加点を奪えなかった。
前田は自らの決定機逸を振り返り「前半の早い時間に(先制点を)取って、ハットトリックもちょっと狙っていた部分もあったので残念でしたね」と語る。そして「このチーム(マリティモ)は比較的失点が多いので、2点、3点取らないとああいう試合になるというのはわかっていた」と悔やんだ。
マリティモは41分にコーナーキックからサンタ・クララに同点ゴールを許し、VARの介入で取り消しにはなったが、前半アディショナルタイムの46分にもPKの判定があった。さらに後半に入ると61分に2失点目。直後の66分にもサイドを崩されてクロスからゴールネットを揺らされた。これもVARの介入でオフサイドの判定となり救われたが、大量失点していてもおかしくなかった。
結局、後半アディショナルタイムの97分にDFルベン・フェレイラの劇的な同点ゴールが生まれてなんとか追いつくが、マリティモにとっては消化不良の勝ち点1に。連敗こそ割けたとはいえ、リーグ戦6試合未勝利が続いている。
「本当に負けてもおかしくないゲームだったと思うし、(66分の)3点目は取られたと自分の中でも思っていました。でも取り消されて。後半は本当にチャンスが、僕も含めて攻撃陣の他の選手にもなかったので、そういうチャンスをもっと作るのが大事になってくると思います」
マリティモ移籍から約半年、前田は「決定力はまだまだ課題」と感じているが、一方で「チャンスに絡むとか、1人で打開する部分は日本にいた時よりもできている」と手応えも得ている。
年内はポルトガルでの公式戦があと2試合あり、帰国して28日にU-22日本代表の一員として臨む試合も残っている。「2試合あるので、どちらでもゴールを取って、こっちにきて『もう1人でもできる』というのを、日本に帰って見せたいとい。ある意味楽しみといえば楽しみですね」と前田は語る。
「もっともっとゴールを取っていなきゃいけない」と意気込む韋駄天ストライカーは、ポルトガルでたくましく成長している。サンタ・クララ戦で見せたようなアグレッシブな姿勢を継続し、よりインパクトの大きな活躍に期待したいところだ。
(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)
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