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小久保玲央ブライアン、PKストップで勝利に貢献「止められる気がした」。ベンフィカで成長実感

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

小久保玲央ブライアン
重要な場面でPKを止めてベンフィカU-23の勝利に貢献したGK小久保玲央ブライアン【写真:舩木渉】

 ポルトガルのリザーブリーグにあたるリーガ・リベラサォンが現地3日に行われ、ベンフィカU-23がアウェイでのフェイレンセU-23と対戦した。

 ベンフィカに所属するU-18日本代表のGK小久保玲央ブライアンは背番号1のユニフォームで先発出場し、チームの4-0での勝利に大きく貢献している。

 21分に先制したベンフィカだったが、1点リードの状態でPKを献上する。しかし、ゴールマウスを守る小久保は27分にそのPKを右に跳んで右腕1本で弾き出し、見事にストップ。相手に試合の流れが傾きかねない場面でビッグセーブを見せた。

 その後、ベンフィカは前半のうちに2ゴールを加え3-0のリードを手にする。後半にも1点を加えて4-0とし、リーグ戦4試合ぶりの勝利を収めた。

 試合後、小久保は「PKを止めたのが本当に久々で。でも今日は何か『止められる気がするな』というのがありました。あのプレーからの流れで、1-1じゃなくて1-0で引き止めて、そこから2点、3点と入っていったのかなと思っています」と、自身のPKセーブと勝利への手応えを語った。

 柏レイソルU-18からベンフィカへ移籍して、もうすぐ1年になる。「東京五輪に出て、もっとビッグな選手になって、A代表、そしてベンフィカのトップチームで出るのが自分の夢」と語る18歳は、ポルトガルで確かな成長を実感している。

「一番言われるのは、『安定してきたね』ということ。落ち着いてプレーできて、背後へのボールだったりはちょっと苦手だったんですけど、ちょっとずつ安定してきて、逞しくなってきているなというのは自分の中であります」

 今季はCチーム相当のベンフィカU-23で6勝3分と、小久保が出場したリザーブリーグの9試合では負けが1つもない。また同チームに登録されているGKの中で最も多くの試合に出場してゴールマウスを守っているのも小久保だ。

 周囲からの評価は確実に高まっているとはいえ、簡単にトップチームへ上がれるわけではないのがビッグクラブゆえの難しさだろう。

 今のベンフィカには小久保の他にも同世代で世界屈指と評価されるGKの有望株が揃っている。22歳のロシア人GKイバン・ズロビンはトップチームで国内カップ戦をメインに出番を重ね、U-21ベルギー代表GKミル・スビラーは20歳にしてすでにチャンピオンズリーグ出場経験を持ち、今季はBチームを主戦場に2部リーグで経験を積んでいる。

 そういった環境に身を置いてトップチームの練習にも参加する機会が増え、小久保は「練習からライバル意識があって、(周りの)レベルが高いと自分も上がるなというのを感じます」と充実の日々を過ごす。

「まだまだトップチームへの道は程遠いですけど、着々とその準備をしていって、この大会(U-23チームで戦うリザーブリーグ)でいいパフォーマンスをして、トップチームのトレーニングにも徐々に参加できているので、そこでパフォーマンスを見せていけたら」

 自身の活躍で勝利に貢献し、成長への手応えを感じながらも「まずは自分がやるべきことを明日の練習からやるだけ」と語る小久保は、現状に満足することなく常に向上心を持って夢を実現するために邁進する。

(取材・文:舩木渉【ポルトガル】)

【了】

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