2戦合計2-3。敗退でもプライドを示したドルトムントの戦い
それでも白い巨人を相手にしたドルトムントの戦いは讃えられるべきものだろう。
2014年4月8日、欧州チャンピオンズリーグのベスト8・2ndレグ、ボルシア・ドルトムントはレアル・マドリーをホームに迎え撃つ。サンチャゴ・ベルナベウでの第1戦を0-3のスコアで落としているドルトムントは、ジグナル・イドゥナでの戦いで、4つのゴールを奪わねばならない。
ドルトムントは3日付のRevierSport誌が「Letzte Hoffnung(最後の希望)」とした絶対的支柱のロベルト・レヴァンドフスキが戦線に復帰する。対してマドリーは絶対的存在のクリスティアーノ・ロナウドを負傷によりベンチに置いてのスタートとなった。
アンチェロッティ率いるマドリーは4-3-3の基本布陣の中で、通常はロナウドが入る前線の3の左のポジションにはベイルが入り、右のポジションにはディ・マリアが配置される。
そして本来ディ・マリアが立つ中盤の3の左にはモドリッチが、右にはイジャラメンディが投入された。いつもとは少し違った布陣で、マドリーは戦いを始める。
ゲームは16分、早くもジグナル・イドゥナの背筋が凍ることとなった。コエントランが放ったクロスが、カバーに入りジャンプしたピシュチェクが背に回した左手に当たったとしてPKのジャッジが下る。
ここで1失点を喫することは、即敗戦を意味した。マドリーにアウェイゴールを含めて4点差をつけられれば、残りの74分で5得点を奪わねばならない。それはほぼ不可能なミッションだった。
しかしヴァイデンフェラーが渾身のセーブを見せる。ディ・マリアの右を狙ったキックは、横っ飛びで弾かれた。チームを絶望の淵から救った。そして勢いを得たドルトムントは、24分、37分とロイスが立て続けに2ゴールを叩き込んだ。いずれも絶対的支柱のレヴァンドフスキがあってのものだった。