ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】
ポルトが窮地に立たされている。ヨーロッパリーグ(EL)で思わぬ苦戦を強いられ、グループリーグ突破すらも危うい状況だ。
ホームで行われたヤングボーイズとの初戦こそ勝利したものの、第2節ではフェイエノールトに0-2で敗れ、第3節はホームでレンジャーズと痛恨のドロー。さらに第4節は敵地グラスゴーでレンジャーズに完敗を喫した。
2試合を残してグループ最下位は、大会開幕前の大方の予想とは真逆のもの。決勝トーナメント進出に向けて、もう一戦も落とせない。
そんな状況で、ポルトは28日に2連敗中の鬼門・アウェイでヤングボーイズと対戦する。初戦で勝利した相手ではあるが、ホームではレンジャーズにもフェイエノールトにも勝ってグループ首位に立つ難敵だ。
大一番へ向けて27日の前日記者会見に出席したポルトのセルジオ・コンセイソン監督は、「リーグ戦で素晴らしいパフォーマンスを見せていて、ELでも2つのホームゲームに勝利した強力なチームだ」と、ヤングボーイズに賛辞を送った。
そして「スピードがあり、個々の能力の高い選手を揃えた、フィジカル的にも強いチーム」と相手を分析したうえで、「残りの2試合で、よりうまくやれるかどうかは我々しだい。守備的にも攻撃的にも効果的でなければならない」と気を引き締めていた。
やはり気がかりなのは極端に“内弁慶”な部分。フェイエノールト戦もレンジャーズ戦も内容がとにかく悪く、アウェイで勝ち点を確保することができなかった。
「フェイエノールト戦では多くのチャンスがあり、レンジャーズ戦でそれは2〜3回だった。もし先制できていたらゲームのストーリーは違うものになっていただろう。(アウェイでは)守備でいつもなら犯さないような間違いを犯してしまう。明日の試合で勝つには、あの2試合よりも効果敵なプレーをしなければならない。そして、我々には勝つことが不可欠だ」
コンセイソン監督はアウェイで力を発揮しきれないチームに発奮を促した。決勝トーナメント進出を果たすには、是が非でも敵地スイスから勝ち点3を持ち帰らなければならない。守備での気の緩みや「間違い」はもう許されない状況だ。
「ポルトのようなクラブでは、プレッシャーがなければ作る。私のやり方は競争的だ。プレッシャーは我々の生活の一部でもある。全ての試合が決定的であり、我々に責任があることは理解している。ポルトの歴史とは何か。そしてもっと向上しなければいけないということも」
甘えを許さない厳格な姿勢で選手に奮起を促す指揮官は、ポルトをアウェイで勝利に導けるか。なお、日本代表MF中島翔哉は出発直前に体調不良を訴え、遠征メンバーから外れた。ポルトガル『レコード』紙は「嘔吐をともなう」もの、『オ・ジョーゴ』紙は「胃の不調」と伝えており、28日のヤングボーイズ戦は欠場が確定している。
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