【日本 1-4 ベネズエラ キリンチャレンジカップ2019】
キリンチャレンジカップ2019の日本代表対ベネズエラ代表戦が19日に行われ、日本代表が1-4で大敗を喫した。
日本代表はFWサロモン・ロンドンのハットトリックを含む4得点を前半のうちにベネズエラに許した。日本サッカー協会の記録によると、前半だけで4失点は65年ぶりの失態だという。
中盤での不用意なパスミスからボールを失い、DFラインがずるずると下がってしまった。ペナルティーエリア内へと相手の侵入を許し、何度も決定機を作られた。DFや守備的MFの柴崎岳や橋本拳人のプレーにも責任があるが、前線からの守備も原因のひとつだろう。
日本代表はこれまで通り4-4-2で守備をセットした。左サイドで先発した中島翔哉はチームがボールを保持すると、するすると中央へと移動。ときにはセンターサークル付近まで降りてボールを受けるシーンが増えていった。
これ自体はこれまでの日本代表でも、逆足ウイングであれば他のチームでも見られる動きだが、この試合では中島が中央でプレーすることで中央が渋滞し、左サイドバックの佐々木翔も前半は効果的な上がりが見られなかった。
2トップには裏抜けに秀でる鈴木武蔵と浅野拓磨が起用された。だが、前線からのプレッシングに狙いは見えず、まるでアリバイのような守備はまったく機能していなかった。
これまでであれば、中島が空けた左サイドのスペースをトップ下の南野拓実が埋めるシーンもあったが、今日の浅野拓磨や鈴木武蔵にはそのような動きは見られず。いつも生じている中島の穴を、いつもはいないメンバーが埋められなかった。チームとして基準がないままに、守備は崩壊していった。
4点をリードしたベネズエラがテンションを落としたこともあるが、後半の日本代表は無失点で切り抜けた。中島翔哉がトップ下へとポジションを移したことで左サイドの穴が埋まり、4-4のブロックが崩れるシーンは減った。
大量失点はGKやDFラインだけの責任ではない。もちろん責任の一端はあるが、前線の“アリバイ守備”にも責任の一部があると言えるだろう。
(文:編集部)
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