ベネズエラ戦は国内組中心で
日本代表は14日、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選の第4節でキルギス代表と対戦している。立ち上がりは劣悪なピッチと相手のハードなプレーに苦しんだ森保ジャパンであったが、MF南野拓実がPKを奪取し、それを自ら沈めると、後半立ち上がりにはMF原口元気が直接FKを叩き込み、2-0で完勝を収めた。日本代表はこれでグループリーグ4戦全勝としている。
迎える19日、日本代表は舞台をパナソニックスタジアム吹田に移し、キリンチャレンジカップ2019でベネズエラ代表と対戦する。公式戦でないとはいえ、内容や結果にはこだわりたいところだ。
さて、ベネズエラ戦のメンバーだが、ご存知の通りキルギス戦とは大きく異なる。DF長友佑都やDF吉田麻也、南野といったいわゆる海外組の面々は軒並み未招集となっており、代わりに国内で活躍する選手が多数招集を受けることになった。当然だが、森保一監督はこれらの選手を積極的に使っていくことになるだろう。今回はそうした点を踏まえ、スタメン案を組んでいきたい。
GKには中村航輔を推す。類稀な反射神経と抜群の読みを武器にする同選手は、昨年行われたロシアワールドカップメンバーに招集されるなど、持っている力は十分だ。16日に明治安田生命J2リーグ第41節のFC町田ゼルビア戦に出場しており、多少の疲労の影響はあるだろうが、久しぶりの代表招集ということで、ぜひ見てみたい選手の一人である。
最終ラインは左から車屋紳太郎、畠中槙之輔、進藤亮佑、室屋成でどうだろうか。車屋、畠中、室屋は日本代表でのプレーを経験済みであるが、中でも注目は北海道コンサドーレ札幌に所属する進藤だ。
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下、3バックの絶対的存在として活躍している進藤は、昨季チームをリーグ4位に、そして今季のYBCルヴァンカップで決勝に導くなど、日本国内で継続的に輝きを放っていた存在だ。今季のリーグ戦でもすでに6得点を挙げているなどDFながら攻撃力があり、日本代表でもそうした強みは生かされるはず。現在の日本代表ではDF冨安健洋が負傷離脱中。その代役となっているDF植田直通もインパクトを残せていると言えず、ここで進藤が力を見せれば、代表定着も夢ではないはずだ。
日本代表で主に採用されている4バックにどれだけ適応できるかは定かではないが、ベネズエラ戦でのパフォーマンスが注目される選手の一人と見てもいいだろう。
永井のサイド起用も一案
そして中盤底2枚はMF橋本拳人、MF山口蛍を推す。前者は森保ジャパンの常連組であり、コンスタントに出場機会を得ている選手の一人だ。最終ラインからボールを引き出して前線に繋げる上手さや、相手の攻撃を摘み取るボール奪取の的確さは日本代表の中でも生きている。今回推薦するメンバーの中では最も森保ジャパンを知っている存在であると見てもおかしくはなく、ピッチ上でリーダー的な役割も求められるはずだ。
山口は守備範囲が非常に広く、90分間ピッチを駆け回って汗をかける選手。また、隙を見て前線に顔を出し、ミドルシュートやラストパスで好機を生むことができるなど攻守両面で働くことができる。日本代表での経験も豊富で、ピッチ内で頼もしい存在になってくれるだろう。ボランチでコンビを組む選手とうまく連係を築けるのかにも注目だ。
そして2列目は左にFW永井謙佑、トップ下にMF大島僚太、右にFW古橋亨梧を推す。
今回代表初招集を受けた古橋は、スピードと破壊力抜群のシュートを武器に、いまJリーグで輝きを放っている選手の一人だ。ペナルティエリア内での落ち着きや決定力の高さは屈指のものがあり、ベネズエラ相手にもそうした強みが生かされるのかはぜひ確かめておきたいところだ。所属するヴィッセル神戸でMFアンドレス・イニエスタやFWダビド・ビジャといった大物プレイヤーと抜群の連係を築いているが、そこで培ったものを日本代表というチームでも発揮していきたい。
そして大島は、今季途中に怪我の影響でプレーすることができなかった時期もあったが、戦列復帰を果たしてからはやはりさすがの存在感を放っている。身長は168cmと小柄だが、ボールを受けて捌く上手さや状況判断力は優れており、そのあたりは日本でも屈指のものがある。前回招集時は負傷の影響で離脱となってしまったが、今回こそは力を示すことができるか。
そして永井。同選手は先日行われたキルギス代表戦でも1トップで出場するなど、森保ジャパンの中では主に同ポジションで起用されているが、やはり永井の特徴であるスピードが生かされる場面は少なく、やや苦戦している印象だ。そのため、より前にスペースがあるサイドに置いてみてはどうだろうか。その方が1トップ時よりスピードという武器は生きるはずで、相手にとっても脅威となるだろう。サイドで試す意味はありそうだ。
1トップにはFW鈴木武蔵を推す。同選手は抜群の瞬発力を生かした動き出しで相手の背後を的確に突くことができるなど、Jリーグでも活躍を見せている存在だ。場合によってはその場に留まってポストプレーに徹するなど、最前線で果たす役割は大きい。ベネズエラの守備は決して緩くないが、だからこそ多彩な動きで相手をかく乱し、チャンスを作り出してもらいたい。
【了】