U-22日本代表を率いる森保一監督【写真:田中伸弥】
U-22日本代表は17日、同じ東京五輪世代のU-22コロンビア代表と国際親善試合を行い0-2で敗れた。
前半はお互いにゴールなく推移したものの、後半開始早々の47分にコロンビアに先制点を許すと、59分にも追加点を奪われてしまう。日本は3-4-2-1から4-4-2へのシステム変更なども試みたが、反撃は単調で決め手を欠き2点差を覆すことはできなかった。
試合後、森保一監督は記者会見で「選手たちは国内での初試合ということで、絶対に勝って、東京五輪への期待を持っていただこうということで、非常にモチベーション高く、いい準備をしてくれて、試合にも臨んでくれたと思います」と述べた。
しかし、「素晴らしい雰囲気を作っていただいた中、勝たなければいけないというところが逆にプレッシャーになったのか、固い入りをしてしまって、相手にペースを握られ、難しい試合になったと思っています」と初の国内での試合が逆に重圧となってしまったと分析していた。
先月はアウェイでU-22ブラジル代表に3-2で勝利した若き森保ジャパンは、そこで得た自信を胸にホームでのコロンビア戦に挑んだ。来年の東京五輪本番での期待度などもかかってくる重要な一戦ではあったが、結果も内容も芳しいものではなかった。
森保監督は「今日の雰囲気を作っていただいた中で、東京五輪本大会は難しい戦いになる。(試合の)入りのところ、もっとメンタルを強くして、アグレッシブに戦えるようにならないといけないということ。その学びの場になった」とも語っている。
来年夏の東京五輪は自国開催ということもあり、相当なプレッシャーや注目が予想される。コロンビア戦のような親善試合で、ホームのアドバンテージを感じるのではなく、重圧に押しつぶされてしまうようでは到底目標を達成するなど不可能だ。前日会見で「金メダルを目指して戦う」と宣言した森保監督は、不甲斐ない内容の敗戦の後に改めて選手たちに目標をどのように捉えていくのか問いかけたという。
「我々が持っている目標が私だけのものなのか? チームで共有しているのか?」
指揮官はA代表監督も兼任しており、U-22代表の選手たちがA代表としても活動することで五輪代表にとどまらないチーム力の底上げや世代間の融合を図ろうとしている。「A代表に絡めるような選手が増えることで、『東京五輪金メダル』の目標を達成することができると思いますし、選手たちには同年代だけの競争ではなくて、オーバーエイジ枠(3人)を含めてポジション争いをより意識してレベルアップしてほしい」と森保監督は語った。
コロンビア戦を経験した選手たちはホームゲームで敗れたうえ、監督からの檄を受けて何を感じたか。幸にも来月、もう一度ホームで試合をする機会がある。12月28日のU-22ジャマイカ代表戦でポジティブな変化が現れなければ、目標は遥か彼方だ。
(取材:元川悦子【広島】、文・構成:編集部)
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