日本代表のMF南野拓実【写真:Getty Images】
2022年カタールワールドカップのアジア2次予選・キルギス戦が14日に行われ、アウェイに乗り込んだ日本代表はキルギス代表に2-0で勝利を収めた。
序盤はアグレッシブに前に出てくるキルギスの勢いに苦しめられたが、流れを変えたのは絶好調の9番だった。トップ下で先発出場したMF南野拓実は前半終了間際の41分、自らが得たPKを決めて日本に先制ゴールをもたらした。
南野は日本代表で歴代2位タイとなる5試合連続ゴール、さらにワールドカップ予選の初戦から4試合連続ゴールという偉大な記録を達成。9月のミャンマー戦から予選4連勝に大きく貢献した。
「このチームで初めてPKを蹴って、それが今日の試合展開的に重要なゴールになると思ったし、決めることができてよかったです」
エースストライカーのFW大迫勇也が不在の中で、南野は急激に存在感を大きくしている。いまや日本のトップ下としての地位を不動のものにし、さらなる連続ゴールも期待されるところだ。だが、本人に満足や慢心は一切ない。
「チームの勝利に貢献できていることは自分としてはすごくよかったかなと思いますけど、個人のプレーではもっと改善していける部分もあるし、満足せずもっと上を目指していくべき部分もあると思うので、それはまた来年に向けてチーム(レッドブル・ザルツブルク)に帰ってやっていきたいと思います」
南野は19日に大阪のパナソニックスタジアム吹田で行われるベネズエラ代表との国際親善試合には出場せず、オーストリアに戻って所属クラブでの活動に復帰する。そのためキルギス戦が年内最後の日本代表としてのプレーだった。
昨年のロシアワールドカップ後、森保ジャパンの発足とともに台頭してきた24歳は、初めて1年間を通して選ばれ続けた日本代表で手応えも課題も感じている。アウェイゲームが多かったワールドカップのアジア予選での戦いを通して見えてきたものもあっただろう。
「アジア予選の厳しい戦いの中で相手に対してどう戦うのか。前半から自分たちがボールを支配して相手を押し込めるサッカーは理想ですけど、そうならない部分もあるので、そういう時にじゃあどうするのか。あとは個人的なゴールパターンを増やすとか、ゴール前でどうやってゴールに持っていくかとか、そういう部分での選手としてのレベルアップもしていければいい」
南野が常日頃から「誰がゴールをしてもチームの勝利が最も優先すべきこと」と強調している。その中でいかに自分が勝利に貢献するか、レッドブル・ザルツブルクと日本代表での日々でさらなる進化へのきっかけを掴みつつあるのは間違いない。
(取材:元川悦子【ビシュケク】、文・構成:編集部)
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