レスター・シティのジェイミー・ヴァーディー【写真:Getty Images】
今季のプレミアリーグで特に勢いのあるチームを2つ挙げるとすれば、リバプールとレスター・シティで間違いないだろう。前者はマンチェスター・シティとの上位対決も制して無敗で首位を快走中。後者も4年前の“奇跡”を再現するかのような好調な戦いを続けている。
その奇跡とはもちろん、2015/16シーズンのプレミアリーグ初制覇だ。クラウディオ・ラニエリ監督が指揮し、日本代表FW岡崎慎司も所属していたチームは、並み居るビッグクラブを抑えてイングランドのトップリーグの頂点に立った。現代サッカーではほとんど起こり得ないはずの歴史的な番狂わせだった。
その立役者の一人となったのがFWジェイミー・ヴァーディー。数年前まで7部リーグでプレーしていたストライカーは、この年のプレミアリーグで24ゴールを叩き出す活躍を見せ、レスターの成し遂げた偉業の象徴的存在となった。
その24得点の中でも特にクオリティーの高い一撃だったと言えるのが、2016年2月2日に行われたリバプール戦での先制ゴール。ロングボールを受け相手陣内右サイドに抜け出したヴァーディーは、バウンドするボールをそのまま右足ボレーで叩き、GKの頭上を抜く芸術的軌道でゴールに突き刺した。
岡崎のシュートのこぼれ球からヴァーディーがもう1点を加えたレスターはこの試合に2-0で勝利。翌月のニューカッスル戦で岡崎が決めたオーバーヘッド弾などと並んで、こういったスーパーゴールが優勝に向けてレスターを勢いづけた面もあると言えるだろう。
ヴァーディーは今季も高い得点力を発揮し続けており、現在11点で得点ランク首位に立っている。4年前よりはるかに強大な相手となったリバプールを止めることができれば、レスターを再び歓喜に導くことも不可能ではないかもしれない。