今夏サッカー選手からの引退を発表したチェルシーやアーセナルのレジェンドGKであるペトル・チェフだが、UEFA 公式が過去にアップしたスーパーセーブの動画が再び話題となっている。
チェフは現在、チェルシーのフロントの一員としてチームの成長をバックアップしているが、アイスホッケーの選手としてデビューを果たすなど本職以外でも何かと話題にことかかない。なおその試合ではサッカーのPK戦に当たるペナルティショット戦で2本をストップ。相変わらずの勝負強さを披露した。
さてそんなチェフのPKストップと言えば、CL決勝の大舞台で3本のPKを止めて、チェルシーをクラブ史上初の優勝に導いた2011/12のバイエルン・ミュンヘン対チェルシーの一戦を思う出す人も多いのではないだろうか。アイスホッケーでの活躍を受けて、チェルシー公式TwitterアカウントがUEFA 公式の動画を引用した投稿が反響を呼んでいる。
2007/08シーズン以来の決勝進出になったチェルシーだが、開催スタジアムが対戦相手バイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムだったこともあり完全アウェイの状態。しかも準決勝でジョン・テリーが退場するなど主力も欠いた状態だったが、ブルーズは意地を見せる。
終盤の83分にバイエルンのトーマス・ミュラーに先制点を許すが、5分後にCKからディディエ・ドログバがヘディングシュートを突き刺す。土壇場でイングランドの名門が試合を振り出しに戻して試合は延長戦にもつれ込んだ。
勢いに乗りたいチェルシーだったが、延長前半3分に絶体絶命のピンチを迎える。ドログバが自陣ペナルティーエリア内でフランク・リベリーを倒してPKを献上。チェルシーの粘りもここまでかと思われた。
しかし、ここで輝いたのが欧州最優秀GK賞を3回も受賞したチェコ代表である。祈ることしかできないチェルシーファンの視線を背中に受けたチェフは、アリエン・ロッベンのシュートを完全に読み切る。甘いコースに入った元チームメイトのシュートを弾くと最後はしっかりとボールをキャッチしてチームを窮地から救った。
そのまま試合はPK戦となるが、ここでもチェルシーはピンチを迎えてしまう。1人目ファン・マタのキックが相手のマヌエル・ノイアーに止められ、いきなりビハインドを背負うのだ。
しかしこの危機を救ったのもヘッドギアの英雄だった。
バイエルンの4人目イビチャ・オリッチ、5人目バスティアン・シュバインシュタイガーのキックを立て続けにストップ。一気にチェルシーにリードをもたらし、5人目のドログバが成功したことでブルーズの欧州制覇が決定。
CL決勝の大舞台で6本中3本のPKを止める驚異的な結果を残したチェフの活躍は、チェルシーファンにとって一生忘れられないものとなった。
(文:プレミアパブ編集部)