日本代表のFW浅野拓磨【写真:Getty Images】
日本代表は現地15日、2022年カタールワールドカップのアジア2次予選でタジキスタン代表に3-0の勝利を収めた。
前半はタジキスタンの奮闘に苦しめられた日本だったが、相手の強度が落ちるとともに巻き返した。後半開始早々の53分と56分にMF南野拓実がゴールを奪い、最後には途中出場のFW浅野拓磨が82分にダメ押しゴールを挙げて勝ち点3を掴み取った。
浅野は森保ジャパンが発足した昨年9月以来の招集。今季はセルビアの強豪パルチザン・ベオグラードに所属し、そこでの活躍が認められて選出された。日本代表でのゴールは2017年8月31日に行われたロシアワールドカップアジア最終予選のオーストラリア戦以来、2年2ヶ月ぶりとなった。
「(酒井)宏樹さんが持った瞬間に、ファー(サイド)まで流れてきたらいけるなという、なんか僕なりにタイミングが合っていたので、思い通りのボールを入れてくれたと思います」
浅野は自身のゴールの場面をそう振り返った。右サイドでボールを持ったDF酒井宏樹が高さのあるクロスをゴール前に送ると、浅野がヘディングでゴールネットを揺らした。身長173cmと小柄な“ジャガー”は、自分よりも大きいDFの上まで高く飛び上がり、まるで長身選手のような上から叩きつけるヘディングシュートを放った。
しかし、久々の日本代表招集で途中出場から結果を残した快足FWは「悔しさ」を感じていた。
「あとチャンスが2本あったと思うんですけど、その2本は絶対に決めておかなければいけないシーンだったと思うし、ああいうところが今後に響いてくると思う。僕はその2本の方が悔しさが残りました」
特にゴールを決める直前の81分にゴール前でGKと1対1になりながら、シュートを大きく外してしまった場面は疑いようのない決定機だった。さらに後半アディショナルタイムの92分にもMF久保建英からのパスを受けてゴール前でフリーになるも、左足でのシュートをクロスバーに当ててしまった。
浅野は今回久々の日本代表招集と出場に至った要因として、パルチザンでも左サイド起用が続いていることを挙げ「チームのプレーを見てあそこで使われたのかなと思います」と分析していた。
守備でもアグレッシブな姿勢は見せたが、短い時間の中で訪れた決定機を生かしきれず。浅野は「持ち味はやっぱり攻撃だと思うので、そこでしっかり勝負できるように、頭使ってプレーしていかなきゃいけない」と悔しさを露わにした。
失敗は自分の力で取り戻さなければならない。11月の日本代表に再び選出されるためには、まず所属クラブで結果を残すことが重要になる。パルチザンでのリーグ戦は未だノーゴール。今回のタジキスタン戦を教訓に、さらに大きく成長していきたいところだ。
(取材・文:舩木渉【タジキスタン】)
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