日本代表のMF南野拓実【写真:Getty Images】
日本代表は現地15日、2022年カタールワールドカップのアジア2次予選でタジキスタン代表に3-0の勝利を収めた。
前半は相手に主導権を握られる時間帯もあるなど苦しい展開だったが、後半になると絶好調の“帝王”が試合の流れを変えた。53分、左サイドでボールを持ったMF中島翔哉が右足でクロスを上げると、相手ディフェンスは棒立ちに。最後はファーサイドでフリーになったMF南野拓実がヘディングでゴールネットを揺らし、日本代表に先制点をもたらした。
南野はこれで代表戦4試合連続ゴールとなり、ワールドカップ予選では3試合連続でヘディングによるゴールを決めたことになった。本人も「そんなにヘディングでゴールを決める選手ではなかったので、ちょっとそれは意外ですね」と語るゴールが続いている。
この後、南野は56分にもDF酒井宏樹の高速グラウンダークロスにヒールで合わせて2ゴール目も奪った。
「前半からクロスボールでのチャンスはありましたし、そこを決めていれば、たぶんもう少し楽な展開になったかもしれないですけど、でも後半も引き続きそういう場面でチャンスになることが多かったので、それを決めきれてよかったのかなと思います」
結果的に南野はクロスから2つのゴールを奪い、日本の勝ち点3獲得に大きく貢献した。後半からはFW鎌田大地とポジションを入れ替えて1トップに入り、ストライカーとしての能力の高さも証明している。
「フリーになるための動き出しであったりとか、背があまり高くないので、いかに相手のセンターバックの前に入ったり、裏を取ったりするかというところに僕は勝負だなと感じていて、そういうところは自分の強みでもあるし、だから今のクロスのボールに関しては、駆け引きで勝てて、ゴールにつながったと思います」
試合前には「FWはやっぱりゴールが入ってくると、シュートへの動きがスムーズになったりとか、迷いのないゴールに向かっていくプレーが増えてくるもの」とも語っていた南野。所属するレッドブル・ザルツブルクだけでなく、日本代表でも結果を残し続け、自分のプレーへの自信は深まっている。
「やっぱり(チャンピオンズリーグのような)大舞台を経験して自信はついてきていると思います、選手として。それくらいじゃないですか。別にいきなり技術が上がったりはしないと思いますし」
11月にもワールドカップ予選のアウェイゲームが控えている。キルギスにも勝って4連勝となれば、グループ1位での3次予選進出に大きく前進することができる重要な一戦だ。もちろん勝ち点3を積み重ねるには南野の力が不可欠であり、好調を維持しておくことも必要になる。
「まずは怪我しないことですね。タフなスケジュールの中で、チームに帰ってもまた連戦が続きますし、絶対怪我しないことと、あとはいつも通りプレーすればいいかなと思っています」
大迫勇也不在の日本代表で絶大な存在感を放った背番号9の進化は止まらない。
(取材・文:舩木渉【タジキスタン】)
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