日本代表のMF久保建英【写真:Getty Images】
日本代表は現地14日、翌日の2022年カタールワールドカップアジア2次予選・タジキスタン代表戦に向けて最後の練習を行なった。
試合が行われるタジキスタンの首都ドゥシャンベのスタジアムは、ピッチに人工芝が敷かれている。そのため天然芝のように本番に向けて“休ませる”必要がなく、日本代表は現地到着初日からずっと試合会場で練習することができている。
そして、練習会場には連日タジキスタン人のサッカーファンも数多く訪れている。そこに集まった子どもたちから最も大きな歓声が上がるのは「ヨシダ!」でも「ナガトモ!」でもなく、「クボ!」だった。サッカー熱の高いタジキスタンでも「レアル・マドリーに移籍したクボ」の存在はよく知られており、中には「マジョルカでプレーしている」ことを知識として持っているファンもいた。
「子どもたちから名前を知ってもらえるのはいいことだと思いますね。特に何もマイナスではないと思います」
そう語る久保建英には、タジキスタン戦に出場して18歳での日本代表最年少ゴール記録更新も期待される。記者からも「日本とタジキスタン両国のファンからゴールを期待されているのでは?」と質問が飛んだが、本人は「チームの勝利に貢献できればいい」とゴールよりも大事なものがあることを強調した。
「期待されていると言われても、『点取ってね』と言われたことがないので、正直わからないですけど、別に自分は『最年少』とかのために代表に来ているわけではないですし、そういうものよりは自分のプレー全体をちゃんと評価してくれる人がいればいいのかなと思います」
異様なまでの冷静さは、いつもと全く変わらない。試合に向けた懸念点の1つに挙げられる人工芝のピッチについても、「人工芝が嫌かと言われたらそうでもない」と意に介していないようだった。「例えば切り返しの時に足首を捻ってしまうというのは人口芝ではよくあること」とプレーへの影響は認識しているが、足裏のポイントが低いスパイクを用意して「入念に足首周りのアップとかもしておいた方がいい」と十分な対策も検討済みだ。
アウェイの雰囲気に呑まれることなく、いつも通りの落ち着きで泰然自若としている久保からは、何か起こしてくれそうな雰囲気が漂っている。10日のモンゴル戦は出番なしに終わったが、タジキスタン戦では勝利に貢献するチャンスを与えられるだろうか。
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