日本代表初ゴールを決めたFW鎌田大地【写真:田中伸弥】
2022年カタールワールドカップのアジア2次予選が10日に行われ、日本代表がモンゴル代表に6-0の大勝を収めた。
3月以来の招集となったFW鎌田大地は、モンゴル戦に61分から途中出場した。そして82分、MF遠藤航が放ったミドルシュートがGKに弾かれてこぼれたところに詰め、日本の6点目を奪った。鎌田にとっては日本代表での初ゴールとなった。
試合前日には「得点はすごく気にしていますけど、そんなにストライカーみたいにポンポン点を取れる選手じゃない」と述べる一方、「今のプレーに得点がつけばもっと自分自身も変わってくると思う」と自身の現在地を分析していた鎌田にとって、モンゴル戦のゴールは今後への前向きなきっかけとなる1点になるかもしれない。
「今日の相手との試合ではそこまで参考にならないという感じです。今日も点を入れられましたけど、それよりも僕自身、何て言うのか、実力というか、やっていてあんまりセンターFWとしての才能はないなと思いました。
ああいうシュートの練習は一切していなかったので、ああいう打ち方もすることない。練習していけば、新しいああいう点の取り方もできると思うので、いい発見と言うか、また自分に足りないものを再発見できたかなとは思います」
モンゴル戦のテーマとして、エースFW大迫勇也が不在をどう解決するかというものがあった。しかし、結局のところそれは見つからず。鎌田にしても、「DFが持ってもオフサイドラインにずっと立っていたし、本当にゴール前だけを考えていた」と大迫のようにDFを背負ってプレーする機会はほとんどなかった。
大量得点して当たり前の試合と言えるのだろうか。おそらく鎌田はそう感じていただろう。初得点で一歩前進はしたが、まだまだ定位置確保への道は遠いと考えている。どんな試合展開でも与えられた役割をこなすことが、信頼獲得への近道だ。
「こういう試合は得点を取っていかないとダメだと思うし、まだ何とも言えないですけど。これからどこのポジションでずっとやっていくのかも分からないし。ただ今、与えられてるところで僕自身はやっていかないとダメだと思うし、まだまだ自分の地位は確立していかないとダメだと思います」
鎌田は純粋な1トップを張るタイプではなく、MF的気質の強い選手だ。様々な組み合わせが考えられ、競争も熾烈な日本代表の前線でどのように生き残る道を見つけていくか。鎌田自身も試行錯誤を続けている。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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