タジキスタン代表【写真:Getty Images】
【日本 6-0 モンゴル カタールワールドカップ・アジア2次予選第2節】
日本代表は10日、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選の第2節でモンゴル代表と対戦し、6-0の大勝を収めている。
前半から主導権を握った森保ジャパンは、22分にMF南野拓実が頭でゴールネットを揺らすと、そこからは怒涛のゴールラッシュ。DFの吉田麻也や長友佑都らにも得点が生まれ、大量6得点を奪取した。相手に1点も許さなかった日本代表はこれで、先月に行われたミャンマー代表戦に続きアジア2次予選連勝。グループリーグ首位に浮上し、2次予選突破へ向け好発進を見せている。
だが、気持ちをすぐ切り替えなければならない。15日にはアジア2次予選の第3節でタジキスタン代表と対戦する。舞台はアウェイとなっており、移動などの疲れもあるはずだが、そうしたなかでもしっかりと結果を残すことが求められるはずだ。
その日本代表と対戦するタジキスタン代表だが、こちらも2次予選では好発進を見せている。初戦のキルギス代表戦を1-0で勝利すると、続くモンゴル代表戦でもアウェイながら1-0の勝利を収めるなど、2連勝を達成。日本代表にプレッシャーを与え続けているのだ。
タジキスタン代表はFIFAランキング115位。日本代表とは2011年のブラジルワールドカップ・アジア3次予選でも同組となっており、その時はアウェイで0-8、ホームでは0-4で日本代表に完敗を喫している。ただ、その当時より力をつけてきているのは明らかで、FIFAランキング115位というのは過去10年間で2番目に高い数字となっている。上記した通り、今回のアジア2次予選でも連勝を果たしているなど勢いは十分だ。もちろん、森保ジャパンにとって油断があってはならないだろう。
そんなタジキスタン代表を率いるのがウズベキスタン人のウスモン・トシェフ監督。現役時代はミッドフィルダーとしてウズベキスタン代表でのプレー経験も持っている53歳の同指揮官は、母国やアフガニスタンの様々なクラブを率いた後、2018年11月にU-23タジキスタン代表監督に就任すると、その後A代表の監督も務めることになった。タジキスタン代表指揮官としてのここまでの成績は8試合4勝1分3敗(国際親善試合も含める)。ただ、守備面の強化は着々と進んでいるようで、同8試合で複数失点を喫したのはわずか1試合のみとなっている(2019年7月7日、インド代表戦)。日本代表は15日の試合でもボールを保持する時間帯が長くなることが予想されるが、引いてブロックを構築されたら崩すのはかなり困難なものとなるかもしれない。
タジキスタン代表の基本フォーメーションは4-1-4-1となる。その中でカギを握っているのは21番を背負うMFマヌチェフル・ジャリロフ。ロシアの強豪ロコモティフ・モスクワの下部組織出身である同選手は、その後ロシアのFKネフテヒミク・ニジネカムスクで長くプレーするなど、経験豊富なプレイヤーだ。現在は未所属となっているようだが、タジキスタン代表では24試合で15得点という成績を収めているなど、同国屈指のエースといえる。日本代表は最大限の注意が必要だ。
また、タジキスタン代表の特徴は若手が主体であるということ。現在のチームにおける最年長はDFダヴロンジョン・エルガシェフとなっており、その年齢はなんと31歳。その他のほとんどのメンバーが20代前半だ。10代の選手は5人入っており、GKショールフ・キルギスボエフはなんと2002年生まれの17歳。日本代表MF久保建英より年下ということになる。平均年齢に表すと22.5歳だ(日本代表の平均年齢は26歳)。
若いチームがゆえ、経験値がなく脆さもあるかもしれない。ただ、日本代表が先制ゴールを奪われるようなことがあれば、相手の勢いというものは凄まじいものとなるだろう。若いチームにはそうした怖さがある。
【了】