トゥエンテに所属するU-20日本代表FW中村敬斗【写真:舩木渉】
オランダ1部リーグの第9節が現地5日に行われ、スパルタ・ロッテルダムがトゥエンテに2-1で勝利した。
トゥエンテに所属するU-20日本代表FW中村敬斗は2試合連続の先発出場を果たし、交代でピッチを退く78分までプレー。ゴールやアシストは生まれなかったが、左ウィングとして攻守に奔走した。
しかし、トゥエンテはこれで3連敗。試合終了直後の選手たちにも落胆の色は濃く、順位も11位と振るわない。中村も「フェイエノールトは力の差が少しあったんですけど、今日に関してはあんまりないというか、しっかりやればこっちも勝っているところはあった。そういう中でなかなかうまくパスだったり、ディフェンスの部分もチームとしてハマらなかった」と実力拮抗の相手との一戦を落としたことを悔やんだ。
スパルタの右サイドは推進力があり、前半からトゥエンテにとって大きな脅威になっていた。中村も押し込まれて守備に走る時間が長く、なかなか前線のいい位置でボールを受けてカットインからのシュートまで持ち込む得意の形を出せず。不完全燃焼のまま交代となってしまった。
「(守備で)戻りきっているからカウンターの時になかなか出ていけないというのはあると思います。特に相手の右サイドは今日は面倒臭い、ちょっと推進力のあるボールを持てる選手だったので、守備で下がる場面が多くて。(前に)出ていけないと、自分は攻撃の選手ですけど、守備に回って、強みをなかなか出せなくなっちゃうと良くないですね。正直今日はそうなっちゃっていたので」
カウンターに活路を見出したいところだったが、自陣深くまで侵入される場面も多く、ゴールが遠かった。トゥエンテはGKジョエル・ドロンメルがスーパーセーブ連発でなんとかしのぎ、後半はボールを持つ時間も長くなったが、今度は相手に引かれてしまい崩しきれず。終盤には退場者も出て反撃の流れを断ち切られてしまった。
「後半は結構こっちがボールを持っていたので、もっとゴール前でチャンスというチャンスを作れればよかったんですけど、どちらかというと中盤でボールを持つことが多かったので、課題ですね」
「もうちょっと相手が戻る前に攻め切りたい。やっぱりボールを持っていると、相手がブロックを作ると点を取るのは難しいじゃないですか。今日の後半はそれでした。それはあんまりしたくないので。前半は相手が元気で、もっとガツガツとアグレッシブにくる相手だったらスペースができてくるので、そういう時の方が点を取りやすい。たぶん前半の方がチャンスは多かったし、(自分は)後半の80分くらいまで出ていましたけど、もうちょっと……何とも言えないですね」
連敗を抜け出してチームの雰囲気を好転させた状態で代表ウィークに入りたかったところだが、トゥエンテは逆に課題の残る内容での敗戦となってしまった。次節は代表ウィークによる中断が明けた19日のウィレムII戦。ここまでで出た課題をチームとして共有し、改善するための時間はある。中村は今度こそ、左の急先鋒として悪い流れを打ち破る結果を残したいところだ。
(取材・文:舩木渉【オランダ】)
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