イランの女性サッカーファンがスタジアムで観戦することが認められた今月10日のカンボジア戦に向け、販売開始された女性向けチケットがすぐに完売したという。『ロイター通信』などが伝えている。

　イランでは女性がサッカーを観戦することがこれまで認められておらず、観戦を試みた女性が逮捕されるなどの状況に対して国際的に批判が強まっていた。国際サッカー連盟（FIFA）からの働きかけもあり、10日に行われるカタールワールドカップ・アジア2次予選のカンボジア戦では、女性の入場を認めることが決定された。

　スタジアムの入場ゲートやスタンドなどは男女別に準備される。その女性用座席に割り当てられた3500枚のチケットが4日朝に販売開始されたところ、わずか「数分以内」で完売したとのことだ。イランサッカー連盟から事前の告知はなかったが、販売開始がSNSで拡散され、すぐに売り切れたという。

　イランのスタジアムの女性への開放を求めてきた団体「オープン・スタジアムス」は、チケットが販売されたことを歓迎する一方で、観客席を男女別とすることで息子を連れていきたい母親が購入を断念したこと、障害を持つ女性の観戦への配慮が不明瞭であることには懸念を示している。

　FIFAが視察団を派遣するなど、世界的にも大きな注目を集めることになる一戦でイランが迎える相手は、本田圭佑が実質的監督を務めるカンボジア代表。本田は5日に自身のツイッターアカウントで「今夜イランへ向かう」とツイートしている。

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