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菅原由勢、体たらくなマンU相手に貫いた積極性。攻守に渡り示す存在感、ELで得た確かな収穫

ヨーロッパリーグ・グループリーグL組第2節、AZアルクマール対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間3日に行われ、0-0のドローに終わっている。U-22日本代表の菅原由勢はこの試合で先発フル出場。攻守両面でアグレッシブにプレーし、チームを活性化させていた。そんな同選手が残したデータとは?(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

先発出場を果たした菅原由勢

菅原由勢
マンU戦で先発フル出場を果たした菅原由勢【写真:Getty Images】

 現在、オランダ・エールディビジで6勝1分1敗の成績を収め、3位につけているAZアルクマール。首位・アヤックス、2位・PSVとの勝ち点差はわずか1となっているなど、文字通り好調を維持している。

 そんな同クラブは現地時間3日、ヨーロッパリーグ(EL)・グループリーグL組第2節でイングランドの名門であるマンチェスター・ユナイテッドと対戦している。AZはEL・グループリーグ初戦のパルチザン戦を2-2で終えており、決勝トーナメント進出に向けてはこの一戦でなんとしても勝利を奪いたいところであった。

 そして、この試合でDF菅原由勢は右サイドバックとして先発出場。3日に発表されたU-22日本代表初選出を果たした同選手が、ユナイテッド相手にどのようなパフォーマンスを発揮するのかには大きな注目が集まった。

 試合は立ち上がりからアウェイチームがボールを保持する展開に。しかし、その攻撃に迫力はなく、AZからすればそれらは何も問題なかった。反対に、ユナイテッドの単純なミスパスの恩恵を受け速攻に繋げられるシーンが目立ち、徐々にペースを握ることになっていった。

 菅原は右サイドで大きなミスも犯すことなく、安定したプレーを披露。右ウィングを務めるFWカルビン・ステンフスは流れの中で中央でプレーすることも多く、右サイドのスペースは必然的に大きく開くため、そのエリアにも積極果敢に飛び込んでいった。13分にはDFブランドン・ウィリアムズがボールウォッチャーになっているのを見逃さず、背後のスペースへ走り出し、DFロン・フラールのロングボールを呼び込んだ菅原。クロスはカバーに入ったDFマルコス・ロホに当たってゴールラインを割ったが、こうしたアグレッシブな姿勢はユナイテッドにとって脅威となった。

 守備面でも高い集中力を保ってしっかりと対応。対峙したMFアンヘル・ゴメスに決定的な仕事を与えず、ペナルティエリア内でも冷静なボール処理を見せる。攻守両面において果たすべき役割をしっかりこなした。

残したデータは?

 後半は特に攻撃に飛び出る時間が多かった菅原。積極果敢にクロスを上げ、味方のチャンスを演出するなど、オフェンス陣を活性化させたのである。

 しかし、チームは終始ユナイテッド相手に押し込むものの、得点を奪うことができず、0-0で試合を終えることになった。勝てたゲームだっただけに、悔しさは残るだろう。

 ただ、守備陣に目を向けるとユナイテッドを完封しただけでなく、相手を枠内シュート0本に抑えたのは評価できる。もちろん、アウェイチームの攻撃陣自体が体たらくであったことは間違いないが、菅原含めた最終ラインの選手は最後まで粘り強く戦えたと言える。

 菅原はこの日、シュート数2本、パス成功率81%、ドリブル成功数1回、決定的なパス1本を繰り出すなど、ディフェンスの選手としては申し分ないデータを残している。ELという舞台、それもユナイテッド相手(大したことなかったかもしれないが…)にこうしたプレーを発揮できたという事実は、今後に向けての収穫ということにもなるはずだ。

 菅原は6日のエールディビジ第9節、ヴィレムII戦後にいったんチームに離脱し、U-22日本代表チームに合流する。10日にはU-20サンパウロと練習試合を行い、14日には国際親善試合のU-22ブラジル代表戦を戦う。菅原は果たして、欧州で培ったものを発揮することができるか。成長した姿を見せたい。

(文:小澤祐作)

【了】

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