重要な一戦で長友佑都先発
およそ4万6500人の観客が訪れたというトゥルク・テレコム・スタディウム。トルコの強豪・ガラタサライは現地時間1日、同スタジアムで重要な一戦を迎えようとしていた。チャンピオンズリーグ・グループリーグA組第2節、パリ・サンジェルマン(PSG)戦である。
今季CLの初戦となったクラブ・ブルージュ戦を0-0のスコアレスドローで終えていたガラタサライ。レアル・マドリーも所属するこのグループリーグを突破するためにも、まずはここで勝ち星を掴み取りたいところであった。
そんな重要な一戦で、DF長友佑都は先発出場。ただ、この日は本来の左サイドバックの位置ではなく、左ウィングバックでの出場となった。長友は当然ながら普段より前への意識を高く保つことができる。相手の右サイドを攻略することが求められた。
試合は予想通り、立ち上がりからPSGがボールを保持する展開に。DFクリスティアン・リュインダマが飛び出したことで生まれた大きなスペースをFWアンヘル・ディ・マリアらが徹底的に突き、ガラタサライのDF陣を深い位置まで下げさせる。個人の技術力はもちろんのこと、チーム全体として攻めの勢いを高くキープしていた。
立ち上がりから押し込まれたガラタサライだが、GKフェルナンド・ムスレラのビッグセーブ連発もありなんとか失点は免れる。ただ、最終ラインからボールを繋ごうとする意識は非常に高かったが、どうにも味方との動きが噛み合わずパスのズレが散見される。それを自陣で奪われてピンチを招くシーンが多発。これにはムスレラも大きな声を挙げ、味方を鼓舞していた。
こうなるとガラタサライは前に出るのが難しくなる。そうなると必然的に長友も守備に重心を置かざるを得なくなり、縦に突破する回数が減る。持ち味はあまり発揮されない。
しかし、長友の安定感はさすがであった。味方が自陣でミスを連発する一方、日本人DFは大きなミスパスを犯さない。DFトマ・ムニエに寄せられても冷静に対応し、チームに落ち着きを与えた。
強烈なインパクトは残せず。しかし…
しかし、チームは52分にFWマウロ・イカルディに得点を許し1点のビハインドを背負う苦しい状況に追い込まれた。その後も容赦なくガラタサライを襲うPSG。長友は前半に引き続き、なかなか前に飛び出ることができなかった。
それでも日本人DFに見せ場が訪れる。65分、MFソフィアン・フェグーリのロングパスを受けた長友がワンタッチで寄せに来たムニエを抜き去り、ペナルティエリア左側へ侵入。クロスは残念ながらゴールラインを割ってしまったが、チームのチャンスを生んだという点では申し分ないプレーであった。
その後、長友は78分にDFオメル・バイラルと交代でベンチへ下がった。より攻撃的に出るための選択だったと言える。
長友はタッチ数こそ37回と少なかったものの、対峙したムニエに対してあまり大きな仕事をさせなかった。地上でのデュエルでも3回中2回の勝利を収めるなど、攻守両面でこの日もハードに働いた。それほど大きなインパクトを残せなかったとはいえ、PSG相手にも堂々とした姿勢を見せたと言えるはずだ。
チームはそのまま0-1で敗北。今季のCLで未だ勝利がない状況になっている。ただ、同組のクラブ・ブルージュが勝ち点2、レアル・マドリーは同1となっているなど、グループリーグ突破へ向けてはまだまだ可能性がある。次節はマドリーとの一戦になるが、ここでは勝利を収めたいところだ。
【了】