ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉【写真:Getty Images】
ポルトに所属する日本代表MF中島翔哉に、ポルトガルメディアから絶賛が相次いでいる。
現地25日のタッサ・ダ・リーガ(リーグカップ)3次ラウンド・グループリーグ初戦、サンタ・クララ戦に先発出場した中島は、前半終了間際に移籍後初となるアシストを記録。それによって生まれたゴールが決勝点となり、ポルトは1-0で勝利を収めた。
このアシストのみならず、90分を通した献身的な働きにポルトガル各紙は高い評価を下している。
ポルトガル紙『オ・ジョーゴ』は、中島にチーム最高タイとなる「7」をつけた。寸評では「ポルティマンでの不名誉の後、セルジオ・コンセイソンが彼に宛てたメッセージは翻訳(ここでは異文化の交流における認識の齟齬のこと)によって失われることはなかった。この日本人は変わり、魔法と守備面での並外れた厳しさを組み合わせることに成功した」と、短期間での飛躍的な成長を称えていた。
また同紙はこういった成長の要因として「監督が彼に求めていることに耳を傾け、従う意欲を全て伝えている」と分析している。
さらに高い評価を与えた新聞もある。『ア・ボラ』紙は「8」、『レコード』紙は「4」(同紙は5点満点)をつけ、いずれもチーム内で単独最高点だった。
『ア・ボラ』紙の寸評では「ポルティマンでの悪夢を消し去ろうとしている日本人」について「魅力とファンタジーでドラゴン(本拠地の名称)を喜ばせた」と泥臭く、かつ華麗なプレーに賛辞を送った。
また「彼はゴールを目指し続け、自分自身を最も望ましい新戦力とは言わなかったが、、すぐに十分な才能でゴールを生み出した。(中略)真のボールアーティストはトリックで拍手を呼び起こし、エラシコと股抜きによってドラゴンはひれ伏した」と絶賛した。
73分に中島は後方からパスを受けると、寄せてきた相手ディフェンスを高速ターンでかわし、エラシコでもう1人抜き去って前進した。このプレーにはスタジアムからどよめきとともに拍手や歓声が巻き起こり、試合のハイライトの1つとなった。
『レコード』紙は寸評で「守備的であり攻撃的、そして非常に芸術的な調子で、エラシコだけでなくヒールタッチでのフェイントもあった。2分の素晴らしいシュートと、ジオゴ・レイチのゴールのための絶妙なプレーとアシストも」と惜しみない称賛を送った。
中島は今回のサンタ・クララ戦で証明した自らのポテンシャルと実力を、今後も継続的に発揮できるだろうか。定位置奪取に向けて、本当の勝負はこれからだ。
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