イランの女性サッカーファン【写真:Getty Images】
国際サッカー連盟(FIFA)は19日、イランに対してスタジアムでの女性のサッカー観戦を許可することを要請するジャンニ・インファンティーノ会長の声明を公式ウェブサイト上に掲載した。
イランでは女性のサッカー観戦が禁じられており、男女差別であるとして問題視されている。観戦を試みた女性が逮捕される事件や、男装した女性がスタジアム入場を試みるケースなどが各国メディアでたびたび報じられている。
先日には、観戦禁止が原因となって一人の女性が命を落とす事態にも発展した。今年3月にスタジアムに入場しようとして逮捕されていた女性が、禁錮6ヶ月の判決を下される見通しであることを知り、裁判所前で自らの体に火を放ったとのことだ。
こういった状況に対し、「イランサッカー連盟およびイラン当局が我々の度重なる呼びかけに応え、この受け入れがたい状況を是正することを願っている」とインファンティーノ会長は声明。「我々の立場は明確であり確固たるものだ。イランにおいて女性はサッカースタジアム入場を認められなければならない」と主張している。
「適切かつ安全な形での実現のためには段階と過程が必要であることは理解できる。だが今こそ物事を変える時だ。FIFAは10月に行われるイランの次のホームゲームからポジティブな進展を期待している」と声明は続けられている。
10月10日にテヘランのアザディ・スタジアムで行われるカタールワールドカップ2次予選の試合で、イラン代表は本田圭佑が実質的監督を務めるカンボジア代表と対戦する。イランのスポーツ次官は先月、この試合に向けて「女性もアザディ・スタジアムに観戦に行くことができる」と発言したことが報じられていた。
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