西野朗タイ代表監督(左から3人目)【写真:植田路生】
前日本代表監督で、タイ代表の新監督に就任した西野朗氏は9日、インドネシア・ジャカルタにあるゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムにおいて、10日の2022年カタールワールドカップ二次予選・インドネシア戦に向けた公式会見に臨んだ。
5日のベトナム戦はホームで引き分けてしまったタイ代表。最終予選を目指すにあたってインドネシア戦は落とせない。西野監督はベトナム戦後に「勝ち点3をとらないと間に合わない。リスクをとる」と語っていた。
それだけに、いつも以上に緊張感は高まりそうなものだが、「落ち着きというわけではないが、1試合を終えているということもあって気持ち的には余裕がある」と西野監督。「選手たちもいいコンディション、いいムードでインドネシアに乗り込めた」と程よくリラックスしているようだ。
ただ、懸念はやはり得点力不足。「新のストライカーを中心にもっていけない。点をとることに集中しないと得点できないタイ代表というのがここにある」と、FWには苦慮している。
その上で、「一度で得点を奪えなければ全員で数回チャンスをつくり出す。ベトナム戦はアタッキングサードに60数回しか入り込めていない。さらに増やすことが重要」と課題を語った。
痛手なのは離脱者が出てしまったことだ。ベトナム戦ではトップで起用された大分トリニータ所属のMFティティパン、そのティティパンと途中交代したMFペーラドンが負傷離脱。新しい解決策を模索しなければならない。
インドネシアは初戦のアウェイ・マレーシア戦を2-3で落とした。タイ戦では勝ち点を奪取したいところだが、格上を相手に守備的に戦う可能性もある。守備ブロックをひかれたときにタイがどう崩すのかが注目ポイントだろう。
前線に頭を悩ませる西野監督。果たしてどのような形で解決して見せるのか。
(取材・文:植田路生【ジャカルタ】)
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