圧巻のダブルタッチ
ダビド・ビジャが10点目をゲットし、第18節時点でJ1最多得点者となった。いつのまにかの感もあるが、清水エスパルス戦のゴールは圧巻で、その得点能力が凝縮されたような1点だった。古橋亨梧からのロングパスを受けてワンタッチでDFをかわし、GKとの1対1を右足→左足のダブルタッチのシュートで決めている。
まず、パスが出てくるまでビジャは清水のDFの間にポジションをとっている。オフサイドにもなりやすいが、逆に言えばそれだけゴールが近い。自分とゴールの間にDFがいない。古橋のロングパスを受ける段階ではDFに寄せられている。コントロールしたのがカカトなのか足裏なのかは判然としないが、おそらくほんの少し触ってDFの背後のスペースへボールを逃がした。この抜き出し方も見事だが、何と言っても最後のダブルタッチだろう。
とびだしてきたGKにしてみれば、目の前でこれをやられたら反応のしようがない。体の動きとボールが一体化したようなシュートだ。全力でスプリントしながら、あのアイデアが出たのも凄いが、ぎりぎりの右足のタッチの次に左足が出たのには驚いた。
さすがにユーロ(2008年)とワールドカップ(2010年)の得点王、スペイン代表最多得点者である。
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