トップ下は香川か? 中村か?
「先発メンバーはすでに決めている」
現地時間の午前中に行われたヨルダン戦の前日会見で、ザッケローニ監督はそう言い切った。午後には試合会場のキング・アブドラ・スタジアムで練習を控えている状況でのこの発言。
カナダ戦後、ドーハで2日間の練習をしてコンディションをチェックできたが、基本的にはカナダ戦のパフォーマンスをチェックしたことで、ヨルダン戦で勝ち点3を獲得し、W杯出場を決めるためにベストの布陣を固めることができたのだろう。実際にイタリア人指揮官がどういう決断をしたかは不明だが、カナダ戦の起用とパフォーマンスから予想することは可能だ。
注目は本田と長友を欠くトップ下と左サイドバックだが、トップ下はカナダ戦で先発起用された香川が、カナダの厳しい守備とスタメンでチームの悪い流れに埋もれてしまった一方で、後半の中村憲は気の利いたポジショニングとボール捌きで中盤の組み立てにリズムをもたらし、しばしばチャンスの起点となった。
それに応じて左ウィングに移った香川も、中村憲や遠藤を起点に前を向いてボールを持ち、本来の決定的なチャンスメークを取り戻すことができた。
約2か月ぶりの代表戦だけに、先発組は途中出場の選手より難しい状況でのプレーを強いられるのは確かだ。しかし、ヨルダン戦で序盤から主導権を握り、アウェーの雰囲気に飲まれず得点を狙っていく目的を考えれば、中村憲をトップ下に置く布陣でスタート。
相手に疲労が出る、あるいは守りを固められるようなシチュエーション、時間帯で香川をトップ下に移して、左ウィングには縦に仕掛けられ、鋭い飛び出しでフィニッシュにも固める乾を投入するのがセオリーだろう。