コパ・アメリカ2019（南米選手権）の大会MVPは36歳のDFが受賞した。優勝したブラジル代表の主将ダニ・アウベスは、大会を通じてハイパフォーマンスを維持して母国の12年ぶりの南米制覇に大きく貢献している。

　試合後の取材エリアでは何度も立ち止まって記者陣の質問に答え続けた。これまでの試合ではテレビカメラの前にこそ立つものの、それ以外は避けがちだっただけに、「優勝」の後はやはり特別なのだろう。

「ここに来るまでにたくさんの汗を流した」

　そう語るダニ・アウベスは「今日は僕たちにとって特別な日であり、今は楽しむことに集中したい」と優勝パーティーに向けて準備万端のようだった。取材エリアからはロッカールームで大騒ぎするブラジル代表選手たちの声が聞こえており、外に出てきてからも皆笑顔を絶やさなかった。

　36歳のキャプテンは優勝したことで、普段以上に冗談も絶好調だった。前日の3位決定戦で一発退場を宣告され、「腐敗の一部になることはない」とメダル受け取りを拒否した元チームメイトのリオネル・メッシについて質問が飛ぶと、冗談交じりに次のように答えた。

「僕はメッシに同意はしない。僕らはこのタイトルを勝ち取るために本当にたくさんの努力をした。彼が起こるのは理解できる。でも、この喜びを彼と共有することはないよ。だって、買われたものだって言うんだろう？ メッシに電話するか？ いいや、今日はお祝いだよ（笑）」

　取材の終盤、立て続けにジョークを挟んで記者陣を爆笑させていたダニ・アウベス。準決勝で引導を渡した仲良しの友人にも容赦なかった。おそらく朝まで続くであろう優勝パーティーでも“主役”になるのは間違いなさそうだ。

（取材・文：舩木渉【ブラジル】）

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