ブラジル代表の守護神アリソン【写真:舩木渉】
ブラジル代表は現地2日にコパ・アメリカ2019(南米選手権)の準決勝でアルゼンチン代表と対戦する。
激戦必至の大一番において注目されるマッチアップの1つが、ブラジルの守護神アリソンとアルゼンチンの大黒柱メッシの対決だ。
2人のクラブレベルでの対戦は、毎回劇的だった。2017/18シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝、ローマの一員としてバルセロナのメッシと対峙したアリソンは、アウェイでの1stレグを1-4で落とすも、ホームに戻った2ndレグで3-0の快勝。2戦合計スコアは4-4となったが、アウェイゴールの差でローマが準決勝に進出した。つまりホームでバルサとメッシを無得点に抑えたアリソンが勝ったのである。
2018/19シーズン、リバプールに移籍したアリソンはCL準決勝でバルサとメッシに再会する。ここでもアウェイの1stレグは0-3で敗れながら、ホームの2ndレグで4-0の大勝を収め、奇跡的な大逆転でリバプールは決勝に進出。アリソンはその後、欧州の頂点に立った。
ただ、本人は代表で相対する際にもメッシだけに焦点を当ててはならないと考えている。今回のブラジル対アルゼンチンは、決してアリソン対メッシの試合ではない、と。
「僕たちは全てに備えなければならない。全ての試合にストーリーがある。ローマやリバプールでは、幸運にも2つの重要な経験をした。ブラジル代表としての試合でもミスは許されず、全員が最善を尽くす必要がある」
「僕は準備してきた。まずは準々決勝のベネズエラ戦で非常に大きなポテンシャルを実証したアルゼンチン代表に対して。彼らはチームを再構築しているところで、大会を通して自信を深めてきている。もちろんメッシが注目されるが、彼のような選手を無力化する、そしてアルゼンチンをチームとして機能させないために、僕たちはピッチ上でやるべきことに集中しなければならない。例えば非常に素晴らしいフィニッシュ能力を持つセルヒオ・アグエロだっているんだから。1人の選手だけに注意すればいいというわけではない」
アリソンは今大会、まだ流れの中から失点を許していない。そして、準々決勝のパラグアイ戦ではPK戦の際に相手の1人目をストップしてブラジルに流れを引き寄せた。アルゼンチン戦では世界最高のGKとしての実力を示せるか。ブラジル、としてアリソンの準備は万端だ。
(取材・文:舩木渉【ブラジル】)
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