日本代表はコパ・アメリカに出場する【写真:田中伸弥】
日本サッカー協会(JFA)は24日、来月開催されるコパ・アメリカ2019(南米選手権)に出場する日本代表メンバーを発表する。23日に発表されたキリンチャレンジカップ2019に挑むメンバーには久保建英や大迫敬介などといった若きサムライが名を連ねたが、今回は誰が選出されるだろうか。
さて、今回日本代表が参加するコパ・アメリカとはCONMEBOL(南米サッカー連盟)主催の南米大陸王者を決める大会である。アジアで言えばアジアカップ、ヨーロッパで言えばEUROに当たる大会だ。
しかし、CONMEBOL加盟国はわずか10ヶ国(ブラジル、アルゼンチン、コロンビア、ベネズエラ、ボリビア、ウルグアイ、パラグアイ、チリ、エクアドル、ペルー)しかなく、同大会でグループリーグを組むことが困難となっていた。そのため、当初はこの10チームによるホーム&アウェイ方式で開催されていたのだが、1993年エクアドル大会より2ヶ国を「招待国」として参加させる方式へと移行し、4チームを3つのグループに分けることが可能となったのだ。以降、コパ・アメリカ開催時には2ヶ国を招待することが基本となっている。
招待国枠が誕生してからしばらくは、メキシコやアメリカ、ホンジュラスといった地理的にも南米に近い北中米の国がコパ・アメリカに参加することがほとんどだった。事実、招待国として最も多く同大会に出場しているのはメキシコ、2番目に多いのはアメリカとなっている。
北中米のチーム以外がコパ・アメリカに初めて参加したのは1999年、アジアの日本であった。同国は2011年アルゼンチン大会でも招待を受けているが、東日本大震災の影響でJリーグの日程が大幅に伸び、代表チームに選手を招集するのが困難となったため、この時は辞退している。
日本は1998年にワールドカップ初出場を果たし、以降6大会連続で同大会に出場している。その間、アジアカップは3度制覇。アジアで最も継続して力を発揮しているのが日本であり、国際的な評価を高める一因だろう。
一方で、ヨーロッパの動向が影響しているとも言える。UEFAネーションズリーグがスタートしたことで、日本は欧州勢とのマッチメイクがこれまで以上に難しくなった。同リーグは国際親善試合を行っていた枠を削って開催されるためだ。欧州勢と全く対戦できなくなるわけではないものの、欧州と他の大陸のレベルの差は広がるばかりとなってしまう。それは南米から見ても同じで、ヨーロッパと対戦できないのなら他の国と、となった時に日本の優先順位が高いのではないか。
その他にも広告収入という観点から日本は計算が立ちやすいと言える。グループCに入った日本だが、チリ戦、ウルグアイ戦、エクアドル戦と3試合全て日本時間8:00キックオフだ。通勤通学の時間とマッチしており、公共交通機関で観戦しながら職場や学校に向かえる。(くれぐれも、自家用車を運転しながら観戦しないように)
ちなみに、日本戦だけが独立した日程になっているのも興味深い。最終節は公平性を保つため同組の試合は同時キックオフになっているが、第1節と第2節は同組の試合どころか他組の試合も被っていない。最終節にしても、グループAとBは日本時間4:00キックオフだが、日本のいるグループCだけは同8:00スタートなのだ。
日本にいるファン・サポーターにとって本当に優しい日程となっており、万全の態勢で日本戦を観戦できる。ブラジルやアルゼンチンといったトップレベルの強豪のゲームを観つつ、日本戦に向けてもしっかり体調を整えて臨めるのではないか。
さらに今大会はブラジルで開催される。同国には約200万人の日系コミュニティがあり、彼らが日本の試合などに足を運んでくれれば、チケット収入という点でもプラスとなるだろう。
いずれにしても、日本としては“本気”の南米勢と対戦できるこの機会を無駄にしたくない。どのようなメンバーで臨むかは今日24日の会見で発表されるが、森保ジャパンには目の肥えたファンを唸らせるようなプレーを期待したいところだ。
【了】