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Jリーグ 6年前

湘南MF齊藤未月、世界一の男と同じ雰囲気とは? 何を成し遂げても『まあ、そうなるよな』【西部の目】

湘南ベルマーレのアカデミーで育ち、高校3年でプロ契約を結んだ齊藤未月。その成長曲線は右肩上がりで、どんな相手にも臆することなく立ち向かう姿勢はまさに闘士だ。すでに様々な特徴を備えるが、リーダーシップもその一つ。齊藤が醸し出す雰囲気は、世界の頂点に立った男のそれと重なるものがある。(取材・文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

リーダー

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ディディエ・デシャン【写真:Getty Images】

 まあ、そうなるよな――フランスが優勝したときにそう思った。2018年ロシアワールドカップでフランス代表が世界一を勝ちとったことにではなく、ディディエ・デシャンが優勝監督になったことに対して。何か大きな仕事を成し遂げる、以前からそう思っていたからだ。

 ASモナコの監督だったころにインタビューしている。財政が逼迫していた当時のモナコは、何台かのトレーラーハウスがコンクリートブロックの上に置かれていて、そこで会議や事務を行っていた。デシャン監督に話を聞いた部屋(?)には選手用のマッサージ台が置かれていた。

「名選手が名監督になることもあるし、そうならないこともある。無名な選手が名監督になることもあるし、そうならないこともある。関連性はないよ」

 マルセイユとユベントスでヨーロッパチャンピオンになり、レ・ブルーの主将として世界一も獲った。デシャンは紛れもない名選手だった。しかし、名選手は往々にして監督としては成功しない。少し意地悪な質問すると、未来の世界一監督は明快に一蹴してみせた。この人はいずれ大きな仕事をするだろう、そのときに確信に近いものを得ていた。

 練習場に偶然居合わせたナント・ユース時代のチームメートが言っていた。

「ディディエは当時からリーダーだったよ」

 1998年にフランスがワールドカップに初優勝したとき、デシャンは「一番ヘタな選手」と言われていた。小柄で身体能力に飛び抜けたものはなく、技術的にもとくに目立った特徴はない。しかし、デシャンはどのチームでも中心選手だった。リーダーだったからだ。抜群のリーダーシップは監督としても発揮された。

 デシャン監督の成功を確信したのは、筆者に見る眼があったからではない。たぶん、誰でもそう思うはずなのだ。接した人の誰もが、彼が生来のリーダーだと気づかされる。そういうパーソナリティーだった。

 齊藤未月はU-20日本代表のキャプテンを任されるそうだ。「まあ、そうなるよな」という感想である。

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