メルボルン・ビクトリーの本田圭佑(左)とケビン・マスカット監督(右)【写真:Getty Images】
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグも終盤に差し掛かり、8日には第5節が行われた。韓国では大邱FCがホームにメルボルン・ビクトリーを迎えて4-0で勝利を収めている。
すでに決勝トーナメント進出が絶望的な状況だったメルボルン・ビクトリーは、週末に控えているオーストラリア・Aリーグのプレーオフ準決勝、アウェイでのシドニーFC戦に向けて主力のほとんどをメルボルンに残して韓国遠征に臨んだ。
チームは必然的に普段出場機会の少ない選手や若手主体となり、試合は主力を積極的に起用した大邱FCに圧倒される展開に。だが、メルボルン・ビクトリーにとってはリーグ連覇を目指す上での大一番と天秤にかけたうえでACLを諦める道を選ぶのは自然な流れだった。
試合後、単独取材に応じたメルボルン・ビクトリーのケビン・マスカット監督も「若い彼らにとっては非常に価値のある経験になったと思う」と結果以上に若手がACLのアウェイゲームを体感できたことの重要性を説いた。
ただ、やはり気になるのはACLよりもAリーグでのタイトル争いと、主力選手の去就だ。特に本田圭佑は、現地『FOXスポーツ』のインタビューで「1年間だけここにいることだけは決めていた。だから僕は誰にも驚いて欲しくないし、失望して欲しくない」と話し、今季限りでのメルボルン・ビクトリー退団を示唆している。
それに呼応するように他の現地メディアも「メルボルン・ビクトリーは本田の後釜を探し始めた」といったニュアンスで、退団が既定路線であるかのように報じている。この一連の報道についてマスカット監督に問うと、「シーズンが終わったらケイスケと話し合うつもりでいる。彼にも見据えるプランがあるだろうし、それも踏まえてになる。まだ何も決まっていない」と現時点では残留か退団か、来季以降のことは未定だと強調した。
マスカット監督は本田に絶大な信頼を置いている。リーグ戦で今季7ゴール5アシストを記録した32歳に対し「とてつもなく大きな貢献をしてくれている」と賛辞を送り、「若い頃と変わらないクオリティがあり、チームの全員がそれを目の当たりにしている。彼は情熱や経験、そしてプロフェッショナリズムを見せることで、チームを組織としてまとめてくれた」と手放しで称えた。
果たして本田の将来はメルボルンにあるのか、または違った場所にあるのか。全てはシーズンが終わってから決まることになりそうだ。メルボルン・ビクトリーは2連覇に向け、12日にシドニーFCとのプレーオフ準決勝に挑む。
(取材・文:舩木渉【韓国】)
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