2002年(平成14年)
ワールドカップでベスト16進出を果たした日本代表【写真:Getty Images】
J1はこのシーズンも引き続き16チームで争われた。ベガルタ仙台と京都パープルサンガがJ2から昇格。仙台はJ1初挑戦となった。
●J1参加クラブ
コンサドーレ札幌
ベガルタ仙台
鹿島アントラーズ
浦和レッドダイヤモンズ
ジェフユナイテッド市原
柏レイソル
FC東京
東京ヴェルディ1969
横浜F・マリノス
清水エスパルス
ジュビロ磐田
名古屋グランパスエイト
京都パープルサンガ
ガンバ大阪
ヴィッセル神戸
サンフレッチェ広島
●J2参加クラブ
モンテディオ山形
水戸ホーリーホック
大宮アルディージャ
川崎フロンターレ
横浜FC
湘南ベルマーレ
ヴァンフォーレ甲府
アルビレックス新潟
セレッソ大阪
アビスパ福岡
サガン鳥栖
大分トリニータ
セレッソ大阪とアビスパ福岡がJ1から降格。J2は前年と同様12クラブで行われた。また、J2はこの年から延長戦およびVゴール方式を廃止することとなった。90分で同点の場合は両チームに勝ち点1が与えられた。J1よりも一足早く“世界基準”を採用することとなった。
21世紀最初のワールドカップが日本と韓国で行われた。特大の注目を集めたトルシエジャパンは初戦でベルギーと対戦。57分に先制を許すも、すぐさま同点に追いつく。59分、小野伸二のフィードに走りこんだ鈴木隆行が懸命に足を伸ばすと、つま先で押し込む形となった。さらに67分、稲本潤一がパスカットから前線へ向かうと、味方のパスに反応。ドリブルで持ち込むと左足を振り抜き逆転に成功した。
ところが75分、オフサイドをかけ損ねて同点とされた。日本はベルギー戦途中に森岡隆三が怪我で交代。直前合宿で鼻骨骨折し、フェイスガードをつけた姿から「バットマン」と呼ばれた宮本恒靖が統率した。この試合を機にラインを上げることばかりを意識するのではなく、相手への対応もしっかり行うことを選手間で確認した。
第2戦の相手であるロシアは、皇帝アレクサンドル・モストボイが負傷していたが、ヴァレリー・カルピンという実力者を擁するチーム。一進一退の攻防が続く中で迎えた51分、中田浩二がボックス内にパスを入れると、柳沢敦の正確に落とす。フリーとなった稲本が冷静に蹴り込み先制に成功した。初戦でも得点を挙げたシンデレラボーイの一発で、日本がワールドカップ初勝利を手にした。視聴率66.1%を記録するなど、国民的関心事となっていた。
第3戦のチュニジア戦も森島寛晃、中田英寿のゴールで勝利。初の決勝トーナメント進出を果たした。さらなる高みを目指して臨んだラウンド16、フィリップ・トルシエ監督は西澤明訓と三都主アレサンドロを前線で起用。初めての組み合わせが機能したとは言い難く、前半のうちにセットプレーから失点した。結局、最後までゴールをこじ開けることができず、試合終了。日本中が熱狂したワールドカップはあっけない幕切れとなったが、ホスト国として決勝トーナメント進出という最低限の目標は達成できた。
その後も大会は続き、共催の韓国は微妙な判定もあったが、ベスト4進出を果たした。また大陸予選では不調だったブラジルだが、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョの「3R」が爆発し、優勝を果たしている。