ハノーファーの浅野拓磨【写真:Getty Images】
アーセナルからハノーファーへレンタルされているFW浅野拓磨は、今季中の試合出場を事実上禁止される状況となったことで、両クラブを訴えることができる可能性もあるとドイツの弁護士が見解を述べた。ドイツ『シュポルト1』が伝えている。
浅野のレンタル契約には、一定の出場試合数などを満たすことでハノーファーに移籍金300~350万ユーロ前後(約3億7500万~4億3000万円)での買い取り義務が発生する条項が設定されていた模様。3月末までの時点でリーグ戦13試合、カップ戦2試合に出場したことで、「あと1試合」でその基準を満たす状況となったようだ。
だが浅野の買い取りを望まないハノーファーは、今季の残り試合に浅野を出場させない方針を固め、トーマス・ドル監督に“起用禁止”の指令を出した。同監督やクラブ首脳陣もそれが事実であることを認めている。
同様の契約条項や同様の状況は他の選手や他のクラブにも発生している可能性はあるが、これほど明確に表面化するケースは珍しい。労働法を専門とする弁護士のハイコ・ヘヒト氏は、浅野が両クラブを相手取って法的措置により損害賠償を請求できる可能性もあると述べている。
正当な競争の結果、監督の戦術的決定により試合に出場できないのではなく、チャンスすら与えないのはクラブ側の契約不履行にあたる可能性があると同氏は説明。浅野の評価を貶め、ピッチ上でスキルを上達させる機会を奪う対応でもあると述べている。契約条項を設定することでこの状況を予期することができたアーセナルにも責任を問うことができるとの見方だ。
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