大分戦の敗戦から2週間
開幕から3試合を2勝1分で切り抜けた横浜F・マリノスだが、ここにきて2試合連続で勝ち星を逃している。代表ウィーク前の17日に行われたJ1第4節の大分トリニータ戦は0-2の敗戦、そして29日に迎えたJ1第5節のサガン鳥栖戦は0-0のドローに終わった。
この2試合に共通しているのは、ともに相手がマリノスに対して明確な対策を準備し、ピッチ上で実践してきたことだ。
大分はマリノスのセンターバック2人に対して、普段と違う2トップで対抗。さらに中盤に3人のセントラルMFを配置し、マリノスのアンカー+インサイドハーフ2人と噛み合う形を作った。大分の両ウィングバックは、中盤と連係しながらマリノスのサイドバックが内側に絞る動きをけん制する。
2トップを起点にした激しいプレッシングをスイッチとして、ボールを奪ったらすぐにカウンターで押し返し、藤本憲明の2得点で勝利をもぎ取った。入念に練られたプランを上回ることができなかったマリノスの選手たちは、一様に悔しさをあらわにしていた。
あの敗戦から約2週間が経って迎えた鳥栖戦。ルイス・カレーラス監督率いるチームも、マリノス対策を用意してきた。直前まで練習を1週間全て非公開にし、情報が一切漏れないように徹底されていたという。
鳥栖はシステムを昨季の金明輝監督が用いていたような4-4-2に戻した。今季は開幕戦を3バックで戦い、その後は4-2-3-1や、前線にフェルナンド・トーレス、金崎夢生、チョ・ドンゴンの3人を並べる攻撃的な布陣も採用していたが、マリノス戦は明らかに守備を意識したメンバー構成になっていた。
4-4-2の中盤4人は、全員セントラルMFタイプでウィンガーを起用せず。また、2トップの一角には怪我のF・トーレスに代えて豊田陽平を起用することで、守備時のプレッシングの強度やカウンター時の起点およびフィニッシャーとしての役割も期待されているようだった。
試合開始早々、マリノスがいつも通りの形で攻めて、鳥栖が守るという構図ははっきりとわかった。ところが鳥栖は2トップから始まる相手ディフェンスラインへの効果的なプレッシングで、マリノスのビルドアップに規制をかけていった。