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日本代表 6年前

畠中槙之輔は日本代表に新風を吹き込むか。デビュー戦で見えた可能性、他のCBにない稀有な能力

日本代表は26日、ボリビア代表と対戦して1-0の勝利を収めた。そこでDF畠中槙之輔は、A代表初出場&初先発とは思えない落ち着いたプレーを披露。隠れた激戦区となりつつある森保ジャパンのセンターバックに新たなオプションとしての可能性を示した。(取材・文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

森保監督も高く評価

畠中槙之輔
畠中槙之輔は26日のボリビア戦で日本代表デビューを果たした【写真:Getty Images】

 消化不良感の残る一戦だったのは間違いない。26日にキリンチャレンジカップに臨んだ日本代表は、ボリビア代表に1-0で辛くも勝利を収めた。

 南米から長旅を経てアジアツアーにやってきたボリビア代表に、韓国代表も苦しんだ。日本がコロンビアと対戦していた22日に行われた試合の結果は、同じ1-0だった。ただ、誤解を恐れずに言えば韓国対ボリビアより、日本対ボリビアの方が「つまらない」という印象を抱いても無理はないのではないかと思う。

 コロンビア戦からスタメン全員を入れ替え、A代表初出場やそれに近い選手がチームの約半分を占める中で連係は即興に近く、効果的に決定機を作ることすらままならなかった。結局は後半に中島翔哉や南野拓実、堂安律、柴崎岳といった“いつものメンバー”を入れて、相手が前がかりになってきた終盤にカウンターから1点を奪うにとどまった。

 とはいえポジティブな収穫がなかったわけではない。森保一監督は試合後の記者会見の中で、「今日、代表初キャップで初先発した選手たちは力を発揮してくれた」と経験の浅い選手たちの奮闘に手応えを感じているようだった。

 もちろん「まだまだレベルアップすべきところを本人たちも感じていると思いますし、今日も国際試合で経験したことを所属チームに持ち帰ってさらなる成長につなげてもらえれば」と、日本代表定着に向けてさらなる奮起を促す。それでもボリビア戦でA代表デビューを飾ったMF橋本拳人やDF畠中槙之輔と行った選手たちが今後に可能性を感じさせたプレーをしたのは指揮官も高く評価しているのだ。

 特に畠中は、これまでの日本代表のセンターバック陣にない能力の片鱗を示しただろう。森保ジャパンの軸として欠かせない存在の吉田麻也や冨安健洋、コロンビア戦で相変わらずの対人の強さと統率力の高さを証明した昌子源、アジアカップに出場した三浦弦太や槙野智章、そして植田直通らもいる中、彼らと競争できるだけの稀有な特徴とポテンシャルの大きさを証明して見せた。

「正直マリノスのサッカーと代表のサッカーでは色々違う部分があるんですけど、その中でもしっかり整理して、周りとコミュニケーション取りながら、しっかり守備で守って、攻撃ではスムーズにボールを回せればいいのかなと思います」

 ボリビア戦前にそう語っていた横浜F・マリノス所属の23歳は、序盤こそ遠慮がちなプレーが目立ったものの、言葉通りのスムーズさで攻撃にアクセントを加えていた。

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